じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

ハロウィンを盛り上げるCD!

10月も残すところあと少し、街はハロウィン一色ですね。
今回は、月末に向かってますますヒートアップする、ハロウィンの時期にぴったりなCDのご案内です。
ハロウィンで踊ろう!〜ハロウィン・ダンス・ベスト


VZCH-154 (CD) 2,000円+税
こちらは、楽しく歌って踊れる、ハロウィンにぴったりなお遊戯曲のほかに、ハロウィン発祥の地ともいわれる、イギリス民謡が収録されています。
可愛い子供たちの歌う、ハロウィンにピッタリの英語の歌が9曲も収録されているので、ハロウィン・パーティーを盛り上げるのに最高の1枚です!

もちろん、お遊戯用の8曲も、子供たちが楽しめる歌詞と旋律、リズムなので、保育園や幼稚園、小学校以外でも、ご家庭での楽しいパーティーのBGMとしても最適ですよ。

(まりちょ)

2018年日本伝統文化振興財団賞・中島勝祐創作賞贈呈式

第22回日本伝統文化振興財団賞と第7回中島勝祐創作賞の贈呈式が、2018年7月19日(木)、東京都港区の八芳園で行われました。
今回の受賞者は、日本伝統文化振興財団賞が新内節の新内多賀太夫さん、中島勝祐創作賞は「那須与一弓矢誉(なすのよいちゆみやのほまれ)」を作曲した鶴澤津賀寿さんです。鶴澤津賀寿さんは女流義太夫の三味線方として第4回日本伝統文化振興財団賞を受賞していますので、初のダブル受賞となりました。

贈呈式では、当財団の藤本理事長の挨拶の後、来賓の山崎秀保文化庁文化財部長が、宮田亮文化庁長官の祝辞を代読されました。

表彰の後には、両受賞者の記念演奏がありました。
新内多賀太夫さんは新内節の名曲「蘭蝶」の「四ッ谷」から。

鶴澤津賀寿さんは受賞曲「那須与一弓矢誉」を。

それぞれ人間国宝の新内仲三郎さん、竹本駒之助さんを助演にお迎えして、贅沢な披露演奏となりました。お二人のますますのご活躍を願っています。

なお、今年は当財団が設立されて25年にあたることから、贈呈式に引き続き、八芳園内で「日本伝統文化振興財団創立二十五周年を祝う会」が催されました。
詳しくは、後ほどHPにレポートをアップする予定です。

(Y)

文化庁芸術祭賞贈呈式(2018年)

平成29年度文化庁芸術祭賞贈呈式が2018年2月14日、東京・早稲田のリーガロイヤルホテルで開かれました。

当財団は「高橋翠秋 胡弓の栞 月詠抄」(CD3枚組)でレコード部門優秀賞を受賞しました。詳しくは前回の記事をご覧ください。→「高橋翠秋・胡弓の栞 月詠抄(つくよみしょう)」 - じゃぽブログ
受賞作品について画面で紹介があり、丹羽文部科学副大臣から理事長の藤本が表彰を受けました。

レコード部門の大賞は「冴 尺八 山本邦山〈音楽の軌跡〉」(CD5枚組)で、一般社団法人和傳社が受賞しました。プロデューサーの田辺洌山さんは山本邦山さんのご門下で、贈賞理由には「傑出したテクニックと創造力で、尺八の可能性を飛躍的に拡げた彼(山本邦山)の演奏は、今なお鮮烈な輝きを放っている。深い敬意とともにその音楽を知悉したプロデューサーだからこそ為し得た記念碑的作品として高く評価できる」とありました。

レコード部門では、もう一つ邦楽のCDが優秀賞を受賞しました。高校の箏曲部を舞台とするコミックから生まれた「この音とまれ! 時瀬高等学校箏曲部」(キングレコード)です。こちらは贈賞理由に「バーチャル世界と現実とが交錯する企画は興味深い。作中から新たな創作曲が生まれ、演奏映像のネット配信を通して、現役高校生の部活動を刺激している。録音制作物の新たな価値の創出につながることに期待したい。」と、これまでにはないと思われる評価が加えられていました。この動きには、私たちも期待とともに注目していきたいと思います。

芸術祭賞、音楽部門の大賞は尺八演奏家の善養寺惠介さんでした。2017年11月7日の「善養寺惠介 尺八演奏会」の成果によるものです。日本伝統文化振興財団賞の第6回受賞者でもあり、高橋翠秋さんとはかつて「三曲みなづき会」で古典の研鑽を重ねたご縁もあるということで、ツーショットをお願いしました。

おめでとうございます!
古典から、それぞれの時代が生み出した新しい曲まで。また故人となった巨匠から「この音とまれ」世代の若い演奏家まで、邦楽の多彩な面が評価された今回の芸術祭賞でした。今後とも演奏会で、CDで、またネット上でも、邦楽がたくさんの人に親しまれ、楽しんでもらえればと願います。

(Y)

「高橋翠秋・胡弓の栞 月詠抄(つくよみしょう)」

昨年暮れに発表された平成29年度(第72回)文化庁芸術祭賞で、当財団制作・発売の「高橋翠秋・胡弓の栞 月詠抄(つくよみしょう)」(2017年11月22日発売)が優秀賞を受賞しました。

この3枚組のCDは、胡弓演奏の第一人者、高橋翠秋さんの熟練の技芸によって、胡弓音楽の領域を古典の幅広いジャンルにわたって一望するという画期的なアルバムです。
胡弓の音色は、歌舞伎や文楽のなかで効果的に演奏されているのを耳にしたことのある方も多いと思います。もともと単独で演奏されることは稀で、このCDは全21曲が新録音ですが、独奏は1曲だけ、ほかは箏や三味線などの気鋭の演奏家との合奏です。
芸術祭賞優秀賞の受賞理由は次のとおりです。

本CDは、本来が助奏楽器である胡弓の多様な表現力と魅力を、三曲と歌舞伎音楽から作品を選んで紹介した力作である。伝統的な作品に留まらず、尺八との二重奏や胡弓のみの三重奏といった新しい合奏の試みにも挑戦している。
解説(英訳付き)は、最新の研究成果も反映し、学術的にも信頼のおける胡弓と胡弓音楽の紹介となっている。

「月のように輝く胡弓の魅力」と題したライナーノーツで、解説の野川美穂子さんは次のように記しています。

胡弓には、驚くほどに多彩で豊かな表現力があります。一筋の細い糸のように持続する音には、人の心に寄り添う優しさ、人の心の奥深くに迫ってくる哀しさ・・・。いっぽうで、明るく華やかな音、楽しい音、力強い音もあります。このCDでは、胡弓の豊かな表現力を感じていただけるよう、さまざまな作品を選んでいます。

高橋翠秋さんが主な活躍の場としている歌舞伎音楽の、名場面で流れる黒御簾(くろみす)や竹本(義太夫)の曲も収録されています。胡弓の多彩な音色をこのCDで味わうとともに、歌舞伎観劇のときにも、ぜひ胡弓の音色に耳を傾けていただければと思います。
曲目や高橋翠秋さんのプロフィールなど、詳しくはこちらをご覧ください。→ 「高橋翠秋・胡弓の栞 月詠抄」

(Y)

「伝統を未来に・・・」2018


謹賀新年

日本伝統文化振興財団は、平成5年の発足以来、日本の伝統文化の振興と発展に向けた公益事業に取り組んでおります。
本年は設立25周年を迎え、日本の伝統文化を未来につなげる活動をさらに進めてまいります。
皆さまには変わらぬご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
     平成30年 元旦
            公益財団法人日本伝統文化振興財団


財団ホームページ →日本伝統文化振興財団
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公演情報 →https://concert.jtcf.jp/

源氏物語によせて〜宮城道雄作曲による歌舞伎音楽「源氏物語」より

【宮城道雄作曲による、歌舞伎音楽「源氏物語」が、60年の時を超え、一部甦ります。】

昭和二十六年に初演され、先々代の團十郎の当たり役として大ヒットした舟橋聖一脚本による歌舞伎『源氏物語』三部作。その舞台を支えた宮城道雄作曲の音楽は、残念ながら当時演奏されて以降、60年近く演奏されぬままになっていました。今回は当時演奏に参加した藤田節子の監修で、宮城道雄作曲による幻の「源氏物語」の一部を、女優・竹下景子の朗読にのせてお届けします。

源氏物語によせて〜宮城道雄作曲による歌舞伎音楽「源氏物語」より◆企画・監修 藤田節子
◆朗読 竹下景子
◆箏演奏 三桜香(吉川あいみ、安嶋三保子、伊藤江里菜)  
◆解説 長谷川 慎
10月7日(土) 14時半開演/ 入場料3000円
場所 池田山舞台(五反田駅徒歩5分)
◆お問い合わせ◆メール:mori@japo-net.or.jp

この演奏会の為に、宮城道雄記念館資料室長である千葉優子氏寄稿の文章を一部抜粋し、掲載いたします。

宮城道雄の業績の一つに歌舞伎音楽がある。終戦まもない昭和二十一年二月に上演された東京劇場での舟橋聖一作《滝口入道の恋》の音楽に始まるが、中でも、空襲で焼け落ちた歌舞伎座が二十六年一月に開場し、同年三月に上演された谷崎潤一郎監修・舟橋聖一脚色の《源氏物語》は大成功を収め、改訂増補版やその再演など、たびたび上演されたほどである。光源氏の役は九代目市川海老蔵(のちの十一代目市川團十郎)が一貫して演じ、彼の生涯を飾る当たり役となり、以後、代々受け継がれている。(中略)
その成功には、宮城道雄の音楽が重要な役割を担っていた。ぜひ、その再演を望むところだが、残念ながら、楽譜等資料がほとんど残されていないため、不可能であった。それが、このたび、現存する楽譜に合わせた内容を朗読し、演奏するという藤田節子先生の卓抜のアイディアによって、限られた資料をもとに宮城道雄の典雅な音楽による『源氏物語』の世界の一端を垣間見ることができるのは、まことに意義深い公演といえよう。

出演者一同は、この演奏会が宮城道雄先生の知られざる曲の研究と、心の継承の一端となることを願っているそうです。是非、60年近くも眠っていた、宮城道雄の「源氏物語」の世界を味わってください。

(まりちょ)

市丸さん没後20年と「小唄まつり」

今年も恒例の「ビクター名流小唄まつり」が、東京・日本橋三越劇場で開催されました。第57回を迎えた「小唄まつり」ですが、2017年7月11日(火)と12日(水)の2日間にわたり、11時の開演から夕方まで、合わせて150番、のべ230名が出演して、はなやかに小唄が披露されました。

今年は小唄の名手でもあったビクター専属芸術家、市丸さんの没後20年にあたるということで、記念品として若き日の市丸さんのポストカードを用意しました。絵柄は、熊本県八代市にあるメルシャン株式会社の工場で今年発見された、1枚の古いポスターからとったものです。昭和12年頃のものと思われ、美貌と美声のレコード歌手として小唄や端唄のほか、流行歌でも一世を風靡した市丸さんの人気のほどがしのばれます。三越劇場のロビーには、メルシャン株式会社がデジタル技術で修復し、復刻したポスターも飾られました。
出演者のなかには、生前の市丸さんを知っているという先生方もいて、ポストカードをお渡しすると、市丸さんと舞台や稽古場でご一緒したときのエピソードなど、それぞれなつかしそうに語ってくださいました。あらためて、流派を超えた憧れの大スターだったことがわかりました。

(今年のプログラム)
「小唄まつり」の第一部では、小唄奨励賞として市丸さんにちなんだ「市丸賞」を設け、優秀な演奏(唄)をされた方を顕彰しています。今年は11日のほうは該当者なし、12日は竹枝はる恵さんが受賞しました。結果は次のとおりです。

7月11日
ビクター小唄奨励賞 市丸賞・・・該当者なし
ビクター小唄奨励賞 優秀賞・・・春日とよ艶子禄(かすが とよつやころく) 曲目「勢い肌」(糸:春日とよ艶子花)
7月12日 
ビクター小唄奨励賞 市丸賞・・・竹枝はる恵(ちくし はるえ) 曲目「梅川忠兵衛」(糸:竹枝はる歌)
ビクター小唄奨励賞 優秀賞・・・長生恭帆(ちょうせい きょうほ) 曲目「吉三節分」(糸:長生松代)

来年は、歴史ある「ビクター名流小唄まつり」も58回目。2018年7月10日(火)と11日(水)に開催の予定です。

(Y)