じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。 https://jtcf.jp

1/14, 15 合唱音楽「三善晃とともに」

 

合唱音楽の夕べ Vol.3 三善 晃とともに
日時:
【第一夜・Aプロ】 2012年1月14日(土) 17:00開演
【第二夜・Bプロ】 2012年1月15日(日) 17:00開演
場所:
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
チケット発売中(当日券有り)
お問い合わせ先:
樹の会事務局 090-6040-0814
URL: http://www.ensemblepvd.com/concert20120114.html


今週の土日の二日間、合唱指揮者の藤井宏樹さんが指導している全国の合唱団体が結集した「樹の会」が主催する、作曲家・三善晃さんの合唱作品を特集したコンサートが開催されます。これは、昨2011年の3月27日に予定されていた樹の会主催の「合唱音楽の夕べ Vol.3 三善 晃ふたたび」が東日本大震災の直後だったため延期され、会場と内容と公演名を変更して開催されるものです。昨年予定されていたプログラムから『虹とリンゴ』がなくなって、代わりに、『木とともに 人とともに』、『交聲詩 海』、『一人は賑やか』、『三つの抒情』が演奏されます。もとは一日だけの演奏会だったのを二日間にしたことで非常に豪華なプログラムとなっています。


合唱音楽の夕べ Vol.3 三善 晃とともに

曲目
<14日:Aプログラム>
混声合唱曲集 木とともに 人とともに より
山田耕筰による五つの歌 より
男声合唱のための 王孫不帰
混声合唱とピアノのための その日 -August 6-
混声合唱と2台のピアノのための 交聲詩 海

<15日:Bプログラム>
混声合唱のための やさしさは愛じゃない より
女声合唱とピアノのための 動物詩集
男声合唱と4手ピアノのための 一人は賑やか
女声合唱のための 三つの抒情
混声合唱組曲 四季に
混声合唱のための 五柳五酒
童声・混声合唱と2台のピアノのための 交聲詩曲 波

出演
指揮:藤井宏樹
合唱:樹の会、NHK水戸児童合唱団(15日)
ピアノ:浅井道子、服部真由子(15日)、安次嶺景子(14日)
打楽器:高橋明邦(14日)、多田恵子(14日)

チケット(全席自由)
前売 一般 3,000円/学生 1,500円
当日 一般 3,500円/学生 2,000円
2日間通し券 一般 5,000円/学生 2,500円
(2日間通し券は事務局のみのお取り扱い)
チケットぴあ →


藤井宏樹さんの樹の会が主催する前回の公演「合唱音楽の夕べ Vol.2」は、2009年3月1日(日)にすみだトリフォニーホール大ホールで開催された寺嶋陸也作品展でした。そして、その前の最初の演奏会にあたるのが、2008年3月9日(日)に杉並公会堂大ホールで開催された「三善 晃 合唱音楽の夕べ」でした。(それで、昨年の春に予定されていたコンサートには「三善晃ふたたび」というタイトルが付いていたのです) この第一回の演奏会の模様はライブ・レコーディングされ、日本アコースティックレコーズから2枚組CDとして発売されています(→「三善晃 合唱音楽の夕べ 藤井宏樹/樹の会」)。当日は三善さんも客席でお聴きになっていらっしゃいました。わたしと席は近くありませんでしたが、でも三善さんと一緒に聴いたあの日のことが、このCDを聴くたびに「いま」の体験として甦ります。特別な思いに包まれた演奏を聴くことができます。(特に『五つの日本民謡』は稀代の名演)

寺嶋陸也さんの作品展のライブ・レコーディングも日本アコースティックレコーズから2枚組CDとして発売されています(→ )。


三善晃さんの合唱作品は非常に難しい。難しいのは単に譜面上の音符ばかりではありません。三善さんは合唱曲を作曲する際に、詩のなかに潜んでいる、それ自身の声と響きに目と耳を凝らして向き合うといいます。詩句の底に潜んでいる種々の感情や思いが、三善さんの作品では、一音ずつ、丁寧に汲み取られているのです。そのために、どの一音符も全て替わりのきかない意味を担っています。だから、そこへ降りていくための道筋が見つからないかぎり、本当の意味で歌うことはできないし、歌うことの意味をつかむことはできません。音楽を支える命、意識の震え。三善晃さんの作品は、そうした本質の在り処を、演奏すること、聴くことによって、わたしたちの前に顕在化させてくれます。

これだけの作品を一度に(二日間に亙って)演奏するにあたっては、想像も及ばないほどの大変な練習の苦労があったことだと思います。このかけがえのない演奏会を、ひとりでも多くの方に耳にしていただきたいと願っています。


「四季に」は非常な難曲で、透明感に溢れて大変美しい音楽なのですが、合唱表現の極北ともいえる作品です。実演で聴くのは初めてなので、わたしはとても楽しみにしています。この作品は田中信昭指揮、東京混声合唱団による録音が一種類だけ残されていて、2007年に当財団から発売したCD『三善晃/レクイエム』(VZCC-1007)のなかで初CD化されています。

(堀内)