じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

熊本で箏ワークショップ

11月18日(木)と19日(金)の2日間、全日本音楽教育研究会全国大会が熊本で開かれました。全国各地の幼稚園から小学校、中学校、高校、特別支援学校までの音楽の先生が1,200名以上参加しました。

18日には研究授業と各種のワークショップがありました。当財団は箏のワークショップを後援し、講師に野村祐子先生(写真)をお招きしました。名古屋の箏曲正絃社のお家元です。
野村先生は箏を弾く和服姿が音楽の教科書に掲載されているため、学校の先生方にはとくになじみが深いようです。通常のお稽古のほかに、名古屋市内の中学校で生徒に箏を教えたり、愛知県立芸術大学で教員を目指す学生に箏や三弦を指導されたりしています。

午後2時45分、熊本県立劇場のリハーサル室に40面の箏が用意され、ワークショップが始まりました。まず、お箏は調弦によって自由に音階を作ることができるという例を示すため、次々に調弦を変えながら、世界中のさまざまな曲を弾いて楽しませてくださいました。
ワークショップに参加した皆さんも、初めは「さくら」の平調子(ひらぢょうし)になっていたお箏を、指示にしたがって箏柱(ことじ)を動かして調弦を変え、いろいろな曲に挑戦しました。
「指づかいはとりあえず気にしないで」「あとでゆっくり練習すればできるようになります」と野村先生に励まされて、もとより音感とリズム感のよい音楽の先生たちですから、「黒田節」「荒城の月」「仰げば尊し」「ジングルベル」「サザエさん」とどんどん進みました。あっというまに終了時間の午後4時となり、皆さんもっともっと弾きたそうな表情でした。

「感じとろう 伝えあおう 高めあおう 音楽のよろこびを」というのが今大会の合言葉ですが、箏を弾くよろこびを感じとってもらえたのではないでしょうか。それぞれの学校に戻って、子供たちにもそれが伝わることを願います。

(Y)