じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

民謡専門誌「みんよう春秋」

隔月(奇数月)に発行されている民謡の専門誌『みんよう春秋』をご紹介したいと思います。

長年にわたり民謡ファンに愛され続けている『みんよう春秋』。民謡大会や各種イベントの模様をレポートする【みんよう前線】コーナーや、注目アーティスト紹介、今後開催されるイベント告知ページ等、情報が欲しいファンには充分な内容が掲載されています。

この充実した内容が継続されているのは、みんよう春秋社の鈴木まさよ社長が大会や公演に足を運び、記事にしてくださっているからで、民謡制作に携わるものとして大変感謝しております。しかも、1冊380円という民謡ファンに嬉しい価格!本当にありがとうございます。

『みんよう春秋』の中で私が楽しみにしているコーナーを挙げさせていただくとしたら、まず巻頭の「特集」です。記事は毎回1つの民謡曲のジャンルをピックアップし、さまざまな視点から見つめ、その曲の背景にある文化や当時の人々の生活を知ることができ、私はこの特集を楽しみにしています。“楽しみ”という表現より、この特集で日本人としての勉強をさせていただいています。ちなみに最新版(vol.198)は「日本の酒造り唄−酒造から生まれた民謡―」で、私たちの暮らしの中で嬉しい時、めでたい時、疲れた時、悲しい時、常にそばで励まし慰めてくれる「日本の酒」を造ってきた人々の仕事と唄の歴史をたどる、といった内容です。他にも「民謡になった流行歌 流行歌になった民謡」では音楽文化研究家の長田暁二さん、「私の独り言」では加賀山流家元・加賀山昭さん(ビクター専属)が連載されていて、民謡をとても身近に感じることができます。

とにかく『みんよう春秋』は、すみからすみまでゆっくり読みたい雑誌なのです。機会がありましたら、ぜひ一度手にとってみてください。→ 『みんよう春秋』ホームページ

それから最後に、最新版(vol.198)の表紙を飾っているのは、津軽三味線奏者の椿正範(つばきまさのり)さん。郷みん’S(きょうみんず)のメンバーでもある椿正範さんは、この5月21日に浅草公会堂にて『椿正範20周年記念コンサート 糸 ―椿祭―』を開催予定です。

(K)