じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

【5/31(7)】藤井昭子《地歌》 #charity531

歴代の日本伝統文化振興財団賞の全受賞者による5/31東日本大震災チャリティ公演「古典芸能の夕べ」の出演者を紹介するシリーズ。今日は第7回受賞者の藤井昭子(ふじい・あきこ)さんをご紹介いたします。

地歌というジャンルにこだわり、日本国内はもとより広く海外でも広く活動を展開している藤井昭子さんは、九州系地歌の伝統を未来につなぐ貴重な演奏家だといえます」という贈呈理由と芸歴はこちらにあります。→http://japan.japo-net.or.jp/cultivate/recipient/recipient_7.shtml
藤井昭子さんは、幼少より祖母の阿部桂子さん、母の藤井久仁江さん(人間国宝)から生田流箏曲、九州系の地歌三弦(三味線)の指導を受け、恵まれた環境で古典の基礎を身につけました。
1995年から定期的にリサイタルを開く一方、2001年から「地歌ライブ」を継続的に開催しています。これが「地歌」の演奏スタイルを大きく変え、地歌をより身近に感じさせる活動とその継続による芸の広がりが、専門家の方々からも大いに注目されてきました。財団賞受賞後も、2008年に伝統文化ポーラ賞の奨励賞、2010年度の芸術選奨新人賞を受賞するなど、ますます評価が高まっています。
2か月に1回のペースで開かれる地歌ライブには私もたびたび伺っていますが、客席と近い小さな会場での演奏は、もともとお座敷で演奏されていた地歌を聴くのによく合っているような気がします。地歌を聴いたことがないという友人をこのライブに誘ったところ、一度で藤井さんの歌と演奏に魅了され、その後リピーターとなりました。

ここ数年は、東京・本郷にある求道会館でライブを行っています。東京都指定有形文化財の木造の建物で、木や竹、絹糸、象牙など自然のものを素材にしている邦楽器が本当によく響きます。
演奏後の藤井さんと共演者によるトークも楽しみの一つです。次回は54回目をかぞえ、6月6日(月)に開かれます。こちらにもぜひお出かけください。→◆


藤井昭子さんの財団賞受賞記念のCDはこちらです→じゃぽ音っと作品情報:第7回ビクター伝統文化振興財団賞「奨励賞」藤井昭子 /  藤井昭子
最近では、昨年度の当財団の邦楽演奏家の後継者育成事業「邦楽技能者オーディション」の合格者、岡村慎太郎さんのCDで助演されています。→じゃぽ音っと作品情報:地歌箏曲/岡村慎太郎(第11回邦楽技能者オーディション合格者) /  岡村慎太郎
5月31日のチャリティ公演では米川敏子さんのお箏、藤井昭子さんの三弦で地歌「残月」が演奏されます。この曲については先日のブログで紹介していますので、ご覧ください(地歌『残月』のご紹介 - じゃぽブログ)。追善の曲として有名ですが、これまでとは違った気持ちで聴くことになりそうです。


東日本大震災チャリティ公演「古典芸能の夕べ」

開催意図、全演奏予定曲目はこちら→ 東日本大震災チャリティ公演〜日本伝統文化振興財団賞歴代受賞者による〜古典芸能の夕べ
【日時】平成23年5月31日(火) 午後6時開演(4時半開場)
【場所】紀尾井ホール(1階) 
【入場料】5,000円(全席自由)
この公演チケットで、第15回日本伝統文化振興財団賞贈呈式(午後5時開始)にもご入場いただけます。
【チケットお申し込み】日本伝統文化振興財団 電話:03-3222-4155(平日11:00〜18:00)
インターネット:じゃぽマガジン | 伝統芸能 観たい! 聴きたい!
紀尾井ホールチケットセンター 電話:03-3237-0061(平日・土曜10:00〜18:00)

(Y)