じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

10年前の展覧会

明日は9月11日。あの悲劇から10年が経とうとしています。月日が流れるのは早いものですね…そういえば10年前のころ、とある展覧会に行ったことを思い出したので、ここに記しておこうと思います。

"MA" Exhibition,20 Years After 「間―20年後の帰還」
当時のチケットと図録が手元にありました。2000年10〜11月に開催されていたんですね。

こちらは図録の表と裏

この展覧会は、1978年にパリの装飾美術館、翌年にはニューヨークのクーパー・ヒューイット美術館で開催され、その後ヒューストン・シカゴ・ストックホルムヘルシンキと巡回して大変な好評を博した "MA:Space−Time in Japan" (「間」―日本の時空間)展の、20年ぶりの里帰りと呼ぶべきものです。この展覧会は当時、残念ながら日本で開催されることはありませんでした。このたび、国際的に活躍する建築家であり、同展の企画者であった大学美術館客員教授磯崎新氏により、「20年後の帰還」というかたちで展覧会の再構成を行います――
――「間」という言葉が、日本の芸術・文化において最も重要な概念であることは言うまでもありません。目に見えない「間」を感じ、表現することは、芸術の核心であるばかりでなく、生活上の基準でもあり続けてきました。建築・庭園・美術・音楽・演劇などがすべて「間」の芸術と呼ばれるように、文化のすべての領域において、それは認識の基本となっています。
(図録『間―20年後の帰還』“ごあいさつ”より一部抜粋)

当時、何の気なしにその「間」というタイトルに惹かれ、ちょっと背伸びをするように東京芸大の美術館に入った覚えがあります。展覧会の関連公演は今から思えばかなり魅力的なものだった(左写真:関連公演の紹介ページ。こちらのWebサイトにも紹介が残っています→)のに、このうちのどれかだけでもちゃんと拝見していれば…その記憶が残っていないのが本当に残念です。ですが、自分にとってこの展覧会へ行ったころ、10年ほど前が自国の文化への関心を持ち始めた時期だったように思っています。

※この図録は芸大美術館ミュージアムショップほかWebサイトなどで現在でも販売されていますね。

(じゃぽ音っと編集部T)