じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

日本音楽入門

今日は外出先で着物姿の女性をいく人か見かけました。結婚式の帰りでしょうか?思わず目で追ってしまいました。
NHKの朝の連続テレビ小説カーネーション」はファッションデザイナーのコシノ三姉妹のお母さん、昭和9年に岸和田で「コシノ洋装店」を開いた小篠綾子さんがモデルですが、番組を見ていると、昭和の初めはほとんどの人が着物姿で、洋服の女性が歩いているとみんな振り返り、羨望のまなざしを送っています。今とはまったく逆ですね。
先週、日本の伝統音楽の教材作りのことを書きましたが、日本の伝統音楽も昭和の前半までは、きっとそんなだったに違いありません。お箏や三味線はありふれたもので、ピアノやヴァイオリンを習っている子がいれば珍しく、うらやましがられたことでしょう。
学校で日本の伝統音楽を教えてこなかったことの是非はともかく、かつてはわざわざ教えなくても、お箏や三味線の音色、謡曲や民謡など、いつも耳にする親しみのあるものだったでしょう。そういえば「カーネーション」のお父さんも余技で謡を教えていましたね。
学校の授業で扱わなければならなくなったというのは、それだけ身近なところから伝統音楽が姿を消しているということになります。着物姿を振り返るように、日本音楽の音色が聞こえてきたら耳を傾け、かっこいいな、習ってみたいな、と思ってもらえればいいのですが。
さて身近に聞こえてこなければ、こんなCDはいかがでしょう?

じゃぽ音っと作品情報:〈COLEZO!〉〜コレゾ!BEST!〜日本音楽入門
雅楽、仏教音楽、能・狂言、琵琶楽、三味線音楽、箏曲地歌、尺八、民謡から全23曲を選んで、聴き所を各3分前後で抜き出しています。ブックレットには詳しい解説もあります。
日本の音楽は多種多様であることも特長です。序文に「このCDを通して、日本の響きを試食する気分で聴いてみていただきたいと思います」とあります。
なおこの「日本音楽入門」は、視覚障害を持つ方のために、点字版と大活字による解説書、点字シールを付属した「バリアフリーCD」シリーズにも入っています。こちらは全国の点字図書館、盲学校など160箇所に寄贈しています(解説の「音声」は当財団のホームページからダウンロードできます→音声ガイドダウンロードページ)。

そしてもっと試食を、という方には、CD2枚組に60曲あまりを収録した「日本音楽まるかじり」がオススメです。→じゃぽ音っと作品情報:日本音楽まるかじり(2枚組) /  オムニバス
ところで、「カーネーション」で主演している尾野真千子さんを間近でお見かけしたことがあります。原田芳雄さんと共演したNHKのドラマ「火の魚」が平成21年度文化庁芸術祭テレビ部門の大賞を受けたときに、芸術祭賞祝賀会の壇上でインタビューを受けていました(写真、右から2番目)。昨年の1月のことで、今年亡くなった原田さんもお元気な姿を見せていました。

当財団はこの年、「人間国宝 女流義太夫 竹本駒之助の世界」がレコード部門の優秀賞を受賞したので出席していたのでした。このときは名前も知らない女優さんと思ったのに、毎朝拝見することになるとは!「火の魚」での演技も素敵でしたよ。

(Y)

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