じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

第十六回日本伝統文化振興財団賞のお知らせ

「日本伝統文化振興財団賞」は、当財団の顕彰事業の一環として、伝統芸能分野で将来一層の活躍が期待される優秀なアーティストに毎年贈呈しています。平成8年に設立され、今年で16回を迎えました。

第16回(平成24年)の受賞者は清元三味線方の清元栄吉(きよもと えいきち)さんに決まりました。清元の三味線方として近年充実した演奏を重ね、古典の継承者として着実に舞台成果をあげていることに加え、作曲家としても幅広い知見と古典の実践から得た、伝統を活かした清新な作風で注目されています。
清元栄吉さんのプロフィールはこちらでご紹介しています。→http://japan.japo-net.or.jp/cultivate/recipient/recipient_16.shtml#more
そのなかで気になるのは、中学時代に横浜市立中学校生徒作曲コンクール器楽曲の部で「最優秀賞」を受賞していることです。その後東京藝術大学音楽学部作曲科に入学し、ジャワ・ガムランに熱中した時期もあるそうです。それが、大学卒業後に清元榮三郎師に入門し、本格的に清元の道を目指したというのは邦楽演奏家としては異色ですが、舞踊家などからの委嘱作品も多く、作曲家としても評価が高いのは、この経歴がいかされているのでしょう。
日本伝統文化振興財団賞の贈呈式は6月5日(火)午後5時から紀尾井ホール(東京都千代田区)で行われます。
贈呈式の際に、今年度から創設された「中島勝祐創作賞」の贈呈も併せて行います。長唄三味線方・作曲家として数多くの舞踊曲を作曲し、三味線弾き語りによる独自の「創作上方浄るり」をはじめ、創作邦楽の発展に寄与した東音中島勝祐(とうおん なかじま かつすけ)氏(1940〜2009)の遺志にもとづいて、邦楽の創作活動を奨励するために創設された賞です。

記念すべき第1回は、清元紫葉(きよもと しよう)さんが清元新作「山姥—夕月浮世語—(やまんば—ゆうづきうきよがたり—)」で受賞されました。「中島勝祐創作賞」の詳細と清元紫葉さんのプロフィールはこちらをご覧ください。→http://www.japo-net.or.jp/nakajima/
昨年は財団賞贈呈式に続いて歴代受賞者15名によるチャリティ公演を開催いたしましたが、今年は記念演奏会を企画しています。
プログラムは第一部が受賞者、受賞作品の披露演奏で、財団賞受賞者、清元栄吉さんの演奏による清元「六玉川」と、自作の「触草〜クサニフレレバ」、それから中島勝祐創作賞受賞者、清元紫葉さんの清元新作「山姥—夕月浮世語—」の3曲です。
第二部は趣を変えて、邦楽の新進アーティストの演奏をお届けします。郷みん’S(きょうみんず)とWASABI(わさび)が出演します。
演奏会は入場無料ですが、申込制です。詳しい情報とお申し込みは財団のHPをご覧ください。→公演情報:日本伝統文化振興財団賞受賞記念演奏会【日本伝統文化振興財団 じゃぽ音っと】


(Y)