じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

最近のお問い合わせ その5 「二人椀久」

6月にしては、ずいぶんと寒い一日となりました。こんな時は体調をくずしやすいので、お気をつけ下さい。私のまわりでは風邪をひいている人が多いです(><)
さて本日、とある楽器屋さんからお問い合わせを頂きました。
「二人椀久(ににんわんきゅう)」のCDを取り寄せたのですが、古典が欲しいのですが・・・」
楽器屋さんが既に取り寄せていたのは、こちらのCDでした。

『第9回ビクター伝統文化振興財団賞「奨励賞」今藤長龍郎(長唄三味線方)』
この中の三曲目に「其面影二人椀久」が収録されております。
「一般的には略称して「二人椀久」で知られていますが、間違いなくこちらの曲は長唄の古典曲でございます!」と返答させて頂きました。
思えば昨年の財団賞から早一年、古典芸能の夕べ ― 東日本大震災チャリティ公演 ― と称した公演の最後の曲は長唄「其面影二人椀久」で締めくくりました。
その時のプログラムから・・・
長唄「其面影二人椀久(そのおもかげ・ににんわんきゅう)」(作詞者不詳/錦屋金蔵 作曲)』
安永三(1774)年五月、八代目市村羽左衛門の十三回忌追善として江戸市村座で初演された長唄舞踊曲。「其面影」は八代目の面影をしのぶという意味です。豪商、椀屋久右衛門(久兵衛とも)が大坂新町の遊女松山と馴染み、豪遊のために座敷牢に入れられたが、松山を慕ってさまよったという逸話を題材にした「椀久もの」の一つで、そのなかでも傑作とされ、人気の高い大曲です。「二人椀久」と略称されますが、二人とは、椀久の羽織を松山が着て、二人で踊る演出からきているといわれます・・・。


こちらのCDにも「二人椀久」が収録されております(^^)/

『寶結 杵屋裕光×利光』

(japogirl)