じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

夏休みの三味線体験

先日、新宿区の芸能花伝舎で「夏休みこども文化体験プログラム」の三味線体験を参観してきました。

「三味線にふれ、日本の伝統の音色やひびきを味わってみましょう♪持ち方・構え方から、簡単な曲の演奏、さいごはみんなで合奏にも挑戦してみましょう♪」というもの。
「文化体験プログラム」は新宿区が区内で活動する文化芸術団体や芸術家などと協働し、気軽に本格的な文化芸術体験ができるという催しです。今回は夏休みなので対象は小学3年生〜中学生。私が伺った三味線体験の午後の部は、ほとんどが小学生だったようです。
講師は山田流箏曲・三味線演奏家の田中奈央一さんと千葉暢さん。芸能花伝舎を管理している芸団協が制作を担当し、使用した三味線は当財団から貸し出した楽器です。体験費用が一人100円というのは、新宿区の主催、日本三曲協会の協力ということで実現したものでしょう。
さて、三味線体験の最初の難関はバチを持つところです。指がイタイ、という子も。小さい子には足台が用意されていました。

初めはかまえもあやしかったのですが、なんとかバチでかき鳴らすことができるようになり、1本ずつ糸を弾く練習をします。次は左手でツボを押さえるという新たな課題。三味線の棹にはツボを示したシールが貼ってあるので、それをたよりにみんな一生懸命でした。子どもたちにとっては、初めて触る珍しい楽器。好奇心がかき立てられるようです。

左手の押さえを少しずつスライドさせてド・レ・ミ・ファ・ミ・レ・ド・・・と練習し、先生方にも手伝ってもらって、1時間後には「かえるの歌」の合奏がなんとか実現しました。

途中、「写真タイム」がありました。みんなで記念撮影?と思ったらそうではなく、付き添いのお母さんたちが前に来て撮影してもいい時間帯ということでした。三味線をかまえる我が子を、デジカメや携帯で熱心に撮っていました。
この日参加した子供たちが、この後も折にふれ、三味線や日本の音楽に関心をもってくれるといいなと思いました。習ってみたいという子が出たら、もっとうれしいのですが。
ロンドンオリンピックも終盤となりましたが、連日報道されているメダリストの紹介で、競技を始めた幼いころの映像や写真が出てくることがあり、ほほえましく見ています。この日の写真も、記念すべき三味線との出会いのシーンとして夏休みの思い出に残ることを願っています。

(Y)