じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

DVD「わが心の歌舞伎座」

またしてもネタ切れになってしまった制作担当うなぎです。日々、開催されている色々な演奏会や、イベントの情報をお知らせしたいと思いつつ、伝統芸能、伝統音楽は、入り込んでみるとなかなか幅広く奥深く、いざ何かを書こうとすると…??というわけで、なかなか文章が書けずスランプです(毎回ですが)。
文章が書けなくなると、特にこの時期は「イルミネーションでごまかすの術」で乗り切っておりまして、こちらが過去2回の技です。→(東京ドームシティイルミネーション)(渋谷イルミネーション)今年は銀座のイルミネーションが綺麗だという噂を聞いたのですが、銀座に行くチャンスを逃しております。
銀座といえば、とうとう新しい歌舞伎座の杮葺落の演目(◆)が発表されたようですね。そこで、このようなDVDを見てみました。
歌舞伎座さよなら公演 記念ドキュメンタリー作品 『わが心の歌舞伎座』DVD&Blu-ray(◆)製作・配給:松竹株式会社、協力:社団法人日本俳優協会 株式会社歌舞伎座(2011年劇場公開映画、2012年9月26日DVD発売)

中村芝翫さん『藤娘』他、中村吉右衛門さん『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』他、市川團十郎さん『助六由縁江戸桜』(すけろくゆかりのえどざくら)他、坂東玉三郎さん『壇浦兜軍記 阿古屋』(だんのうらかぶとぐんき あこや)他、中村富十郎さん『種蒔三番叟』(たねまきさんばそう)他、中村勘三郎さん『野田版 鼠小僧』他、松本幸四郎さん『仮名手本忠臣蔵』(かなでほん ちゅうしんぐら)他、中村梅玉さん『頼朝の死』他、片岡仁左衛門さん『女殺油地獄』(おんなごろしあぶらのじごく)他、坂田藤十郎さん『曽根崎心中』他、尾上菊五郎さん『雪暮夜入谷畦道〜直侍』(ゆきのゆうべいりやのあぜみち〜なおざむらい)といったように、各役者さんに縁の深い演目のダイジェストがあり、ご本人のコメントがあり、先代の名優さんの紹介あり、歌舞伎にあまり詳しくない私でも一気に見てしまいました。残念ながら亡くなられた方もいらっしゃいますね。
また歌舞伎座の裏方、舞台の裏側にもスポットが当てられ、総勢200人近い裏方に支えられていた劇場ということを知りました。

(上:歌舞伎座さよなら公演 御名残四月大歌舞伎パンフレット2010年4月)
さよなら公演から約3年、新しい歌舞伎座の杮葺落では、「十八世中村勘三郎に捧ぐ」と題して、舞踊「お祭り」が上演されるそうです。「お祭り」は、清元節「申酉 ─ 再茲歌舞伎花轢 ─(さるとり ─またここにかぶきのはなだし─)」で、歌舞伎舞踊・日本舞踊の演目として通称「お祭り(おまつり)」と呼ばれているそうです。
申酉の祭り(山王祭)でほろ酔いの鳶頭の粋な舞踊で、先代の勘三郎さんが病気療養後の舞台で、大向こうさんの「待ってました!」の掛け声に対し「なに 待っていた?待っていたとは ありがてぇ」とアドリブで答えたことから、その形が定番となったそうです。勘三郎さんが「新しい歌舞伎座でやりたい」と話されていた演目だということです。残念ですね。
弊財団よりリリースされている「お祭り」は、下記でお聴きいただけます。
◆復刻 清元志寿太夫全集(CD20枚組)

◆邦楽百選 清元名人選/清元志寿太夫(七)(カセットテープ)

◆邦楽舞踊シリーズ[清元]神田祭/申酉(おまつり)(CD)

(制作担当:うなぎ)