じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

東大寺修二会、11人の練行衆決定

毎日jp12/17付の記事でしたが、このところTwitterのタイムラインでも大変話題になっております→http://mainichi.jp/area/nara/news/20121217ddlk29040243000c.html
練行衆の中のおひとりです→森本 公穣 @東大寺 (@kojomrmt) | Twitter
 
Twitterの@killer_snail88様からお写真(上)をいただいたCD『東大寺二月堂 お水取り』はビクター音楽産業(当時、現在はビクターエンタテインメント)から発売されたもので、芸術祭受賞作品であるLP盤東大寺修二会 観音悔過[かんのんけか](お水取り)』(昭和46年11月発売 定価1万円 SJ-3031〜3032 監修=東京国立文化財研究所 構成・解説=横道萬里雄・佐藤道子 30センチLP6枚組・解説書4冊つき)の中から抜粋して再編成したもの。当財団の現理事長藤本が制作しましたCDです。
現在、この大本のLP盤(下の写真)はそのままではCD復刻されておりません。当時の時代背景として管長だった清水公照様のお考えが強くあって、また、観音院・上司海雲様の強いお気持ちがあって、「修二会」を広く多くの皆様に知っていただく事に大変に好意的だったという話を聞いています。ですので、新聞社やレコード会社、また国立文化財研究所などからのオファーを快く受け入れて下さって作品化が成ったようです。

こちらのLPボックスに関しては、制作に関わった、東京文化財研究所高桑いづみさんによる当時を回想したエッセイが読めます。「東文研ニュース2007 no.29」のPDFファイルの12頁目に、「研究所昔語り:芸能部草創期あれこれ」と題して掲載→。また、2011年10月22日に東京文化財研究所で開催された、「東大寺二月堂修二会(お水取り)の記録―東京文化財研究所無形文化遺産部所蔵記録をめぐって―」の記録(PDF)もこちらで読むことができます→
作曲家の黛敏郎さんがこの6牧組LP音源を元に構成・ナレーションを担当してビクターから発売された4チャンネルLP(2枚組)が、黛敏郎構成による お水取り』(CD4K-7705〜6)です。これはなかなか入手できない貴重盤で、CDにもなっていません。

黛敏郎構成による お水取り』 CD4K-7705〜6
(4チャンネルLP2枚組:1974年2月25日発売)

構成・ナレーション=黛敏郎
<Side 1>
悔過会の一日(1)
 初夜上堂
 初夜の悔過作法(1) (19:47)
<Side 2>
悔過会の一日(2) (20:38)
 初夜の悔過作法(2)
<Side 3>
悔過会の一日(3)
 初夜の大導師作法(1) (12:40)
 初夜の大導師作法(2) (8:09)
<Side 4>
悔過会の一日(4)
 初夜の呪師作法 (13:52)
 走り (8:11)


さて最初にご紹介したCDなのですが、番号を変えて三度発売されています。
『CD超絶のサウンド・シリーズ(2)──千二百年!!!静寂と爆発(ダイナミズム)/お水取り』(1985年発売CD:VDR-1017)
『CDエキサイティング・サウンズ・シリーズ──東大寺二月堂 お水取り』(1989年発売CD:VDR-25225)・・・最初の写真
『エキサイティング・サウンズ・シリーズ──お水取り/東大寺二月堂<千二百年、静寂と爆発(ダイナミズム)>』(1994年発売CD:VICG-5378)
3枚目の一番新しいもの(下の写真)はビクターが開発した20bitK2 Super Cordingによる新マスタリングなのですが、こちらも現在廃盤と思われます。
 


ここまでご紹介したものとは別の音源による、当財団からリリースしています作品があります→http://search.japo-net.or.jp/item.php?id=VZCG-731

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