じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

今年は弁天さまの年

あけましておめでとうございます。

昨日までは年末年始スペシャルで理事長が担当しましたが、本日からはまた、じゃぽ音(ね)っとブログ隊が交替で書きつなぎます。昨年はスタッフの〈青木〉〈よっしゃん〉〈弘〉がブログデビューを果たしました。今年も新しい書き手を加えてさらに話題を広げていきたいと思っています。引き続きご贔屓のほどよろしくお願い申し上げます。
さて、初詣はどちらにいらしたでしょうか? このごろはパワースポットが注目されているせいか七福神巡りが人気のようです。昨年秋の邦楽アウトリーチでは七福神を導入に使ったところ、中学生も興味をもってくれました。

昨年12月29日の日経新聞七福神巡りのランキングが出ていました。(→ 巡って楽しい七福神ランキング 1位は「大阪」

その記事によると「2013年は巳(み)年。蛇は古代インドで弁財天の使いといわれ、弁天様が守護する年となる」とのこと。
弁天さま(弁財天)は七福神のなかで唯一の女神で、知恵と技芸、財宝の福徳を持ち、学問や芸術の守護神。琵琶を抱えたお姿からも音楽・芸能の神様として、上達祈願のお参りをする人が多いようです。
都内では上野の不忍池に弁天堂がありますね。安産祈願で知られる水天宮にも弁天さまが祀られています。昨日出かけた吉祥寺の街には、この時期限定の「武蔵野吉祥七福神めぐり」特別バスが走っていましたが、こちらの弁天さまは井の頭公園の池の、中の島にいらっしゃいます。弁天さまは水と関係が深いようです。
上のランキングでは4位に入っている「鎌倉・江の島七福神」の江の島の弁天さまも有名ですね。こちらはなぜか裸体で、日本三大弁財天に数えられています。山田流箏曲創始者山田検校の作品に「江の島の曲」がありますが、山田検校は音楽神である江の島の弁財天に、検校の位を得た御礼参りに出かけているそうです。江戸時代から弁天さまの信仰は盛んだったのでしょう。

あまり知られていませんが、江の島には山田検校銅像があります(→「江の島散策」)。なかなか端正なお顔立ちだったようです。弁天さまをお参りするときにはぜひ訪ねてみてください。(写真は山田流協会作成の絵葉書)
日本三大弁財天は江の島のほかに、琵琶湖に浮かぶ竹生島、広島の厳島の弁天さまですが、江の島ではなく奈良の天河大弁財天を数える説もあるそうです。
竹生島(ちくぶしま)」も能、地歌箏曲、一中節、琵琶などで題材にとりあげられています。当財団からも「竹生島」の曲の入ったCDがいくつか出ています。やはり芸能と縁が深いのでしょう。→ 日本伝統文化振興財団 作品検索:曲名で「竹生島」の検索結果
弁天さまに守られる今年、伝統芸能や音楽がますます盛んになり、関係する皆さんにとって幸せな年となりますよう願います。

(Y)

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