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公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

和楽器による「浜辺の歌」

何度かご紹介してきた(財)地域創造の邦楽地域活性化事業の総仕上げとなる「新春 邦楽コンサート」がいよいよ今週末に迫りました。
今年度の事業の拠点となってきた千葉市の美浜文化ホールで開かれます。千葉市近辺の方はもちろんのこと、東京からも便利なところなのでぜひ聴きにいらしてください。

新進の演奏家による変化にとんだプログラム。胡弓あり、十七弦の二重奏あり、またお箏や三味線も古典から現代曲までと多彩です。曲目と出演者の詳細をあらためてお知らせします。

新春 邦楽コンサート

[日時]2013年1月19日(土)開演15:00(開場14:30)
[会場]千葉市美浜文化ホール メインホール
 千葉市美浜区真砂5−15−2
 JR京葉線「検見川浜」駅より徒歩8分
 JR総武線「新検見川」駅よりバス10分「美浜区役所前」下車
[入場料](税込/自由席) 一般 1,500円 高校生以下 500円
 2人グループ券 2,500円 4人グループ券 4,500円
[問い合せ先] TEL 043−270−5619(美浜文化ホール)

プログラム

「みだれ」(伝 八橋検校 作曲)
 箏:伊藤麻衣子
 胡弓:木場大輔

「臼の声」(三世山登松齢 作曲)
 箏:佐々木千香能  小間夕起子
 三味線:朝香麻美子

「浮拍子」(杵屋正邦 作曲)
 三味線:中 香里  五十川真子  河野 紫

「絃歌−ストゥリングス−」(吉崎克彦 作曲)
 十七弦:麻植理恵子  伊藤麻衣子

「ジャワリ」玉木宏樹 作曲)
 三味線:河野 紫  中 香里

「のはらうた」工藤直子作詞 北爪やよひ作曲)
 箏:佐々木千香能  小間夕起子
 十七弦:朝香麻美子

「浜辺の歌」(成田為三作曲 木村裕編曲)
 胡弓:木場大輔
 三味線:中 香里  河野 紫
 第1箏:朝香麻美子  小間夕起子
 第2箏:五十川真子  佐々木千香能
 十七弦:伊藤麻衣子  麻植理恵子


最後に9人全員で演奏される「浜辺の歌」は、若手作曲家、木村裕さんに委嘱してこのメンバーによる和楽器のためにアレンジした作品です。よく知られた日本の歌曲であり、ホールのある美浜区にも縁が深いということで選ばれたそうです。

昨年末に合同練習を聴かせてもらいました。今回のプロジェクトに参加した演奏家には関西が活動拠点の方もいるので、千葉に合宿しての練習でした。はじめは五線譜を眺めながらそれぞれ格闘していましたが、弾く度に合奏としてまとまってくるのが感じられました。さすがです。当日はおなじみの「浜辺の歌」のメロディから、新鮮な響きが生まれる瞬間に立ち会えることでしょう。
ちなみに「浜辺の歌 音楽館」が、この曲を作った成田為三(ためぞう)の出身地である秋田県北秋田市にあります(→http://www.kitaakita-kankou.jp/details/029.html)。意外にも海辺ではなく山間の町です。
一度、夏に訪ねたことがあります。成田為三に生き写し(?)のロボットがしゃべり、ピアノを弾くのにまず驚かされ、とても楽しい音楽館でした。リスニングルームも充実しています。
最寄り駅は秋田内陸縦貫鉄道の「米内沢(よないざわ)」駅。秋田新幹線「角館(かくのだて)」駅で乗り換えるこの路線は鉄道ファンにも人気です(→秋田内陸縦貫鉄道)。以前ご紹介したわらび座劇場のある「たざわこ芸術村」(角館駅下車)とともに訪ねてみるのもよさそうです。
話がそれてしまいましたが、美浜文化ホールの「新春邦楽コンサート」、和楽器による「浜辺の歌」の初演も楽しみにどうぞお出かけください!

(Y)

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