じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

お寺でバッハで花まつり 第19回花まつりコンサート 〜 武久源造が奏でるバッハのチェンバロ詩集

花の便りが届く季節となりました。花まつりコンサートのご紹介をさせていただきます。

第19回 花まつりコンサート 〜 武久源造が奏でるバッハのチェンバロ詩集 〜
[日時] 2013年4月7日(日)17:30開場/18:00開演
[会場] 百観音明治寺 西武新宿線「沼袋」徒歩5分
     アクセスは こちら をご覧ください
[入場料] 前売3,000円 当日3,500円
[予約・お問合せ] 幼い難民を考える会 Tel.03-3943-6971

武久源造さんは、鍵盤楽器演奏家――もちろんピアノも演奏しますが、いわゆるモダン・ピアノよりも前の時代の、様々な鍵盤楽器を演奏し、それらの楽器とその音楽の魅力を私たちに届けてくれる演奏家です。そんな「古い」音楽を扱う武久さんの音楽観を最もよく表す言葉は、「新しい人は新しい音楽をする」……この言葉を書名に冠する自著(アルク出版企画刊)の中で、彼は語っています。
いずれにせよ、結局は自分たちの時代の自分たちの感性による音楽をしなければならない。(p.112)

だから、30タイトルを超す彼のディスコグラフィの中には、「未来系バッハへの道」などという文字が見えたりもします。また、武久さんは「八次源」というユニットを組んでバンド活動もおこなっており、このバンドで彼の鍵盤楽器を取り巻く編成は、たて笛、バグパイプなど古楽器、パーカッション、歌、ギター、ヴァイオリン、そして箏!

さて、話を戻しまして、この日の演奏曲目は、バッハのインヴェンションとシンフォニア全曲です。ピアノを嗜んだ方でしたら、弾いたことのある方も多いかと思いますが、この作品が生まれた時代の楽器=チェンバロで、21世紀を生きる武久さんの感性で奏でられる音を、お寺の本堂で、花まつりの日に聴く、というのは、なかなか稀な体験になりそうです。
そもそも、どうしてチェンバロをお寺の本堂に持ち込んでコンサート?…それは、明治寺ご住職の草野榮雅氏と武久さんとの、奇しきご縁に始まるのだそうです。幼少時からキリスト教の環境に身を置いてきた武久さんと、真言宗のお寺である百観音明治寺のご住職=草野氏。2人の間に築かれた、お互いに対する大きな信頼と敬意が、「花まつりコンサート」となって文字通り花開き、19回を数えるまでになりました。
このコンサートの収益は、毎年、難民や被災地の子供たちのために役立てられていて、今回は、それだけでなく、武久さんと、ご住職と、「カンボジアアンネ・フランク」の異名を持つ久郷ポンナレットさんによる、特別鼎談も行われます。カンボジア写真展・織物展も同時開催とのことです。

春の訪れを祈りつつ……

武久源造さんの公式サイト soundのボタンをクリックして開くページで試聴もできます
百観音明治寺のホームページ

(YuriK)