じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

修二会の法螺貝からジャコのクライシス

当財団ツイッターにも投稿いたしましたとおり、今晩で今年の修二会(しゅにえ)は終了となります。こちらから以下を引用→修二会について・修二会の日程|修二会|年中行事|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ

この法会は、現在では3月1日より2週間にわたって行われているが、もとは旧暦の2月1日から行われていたので、二月に修する法会という意味をこめて「修二会」と呼ばれるようになった。また二月堂の名もこのことに由来している。

http://search.japo-net.or.jp/item.php?id=VZCG-731→こちらのCD、当財団で発行していますもので手前味噌なのですが、CD1枚(ブックレット40頁)+別冊附録「お水取りハンドブック」(48頁)という豪華版で、ブックレット&ハンドブックを読んで予習して一昨日3月12日に現地へ行きましたところ、かなり理解の助けになりました。

左から、パッケージ表面、裏面(小沢昭一さんのコメント部分を拡大=これはブックレット内にもう少し詳しく掲載)、ブックレット、ハンドブック。


東大寺二月堂修二会(お水取り)について(平成25年版) - NAVER まとめ→この、今回の練行衆のおひとり森本公穣氏のツイートまとめにもありますが、事前に奈良国立博物館の特別陳列「お水取り」を観てから実際の修二会を拝見すれば良かったと思います。二月堂へ行った翌日に博物館に伺いましたが、ボランティアスタッフのかたから詳しい説明も聞けて、ばらばらだった知識がひとつの流れになり、全体を俯瞰して見渡すことができたように思います→特別展・特別陳列|奈良国立博物館 この特別陳列は1990年代から、この時期に毎年開催されているようですね。

東大寺ではこの修二会を「不退の行法」と呼ぶそうですが、始まってから一度も絶えることなく今年で1262回目(毎年1回ですから1262年目)というのがスゴイです。継続する力、見習いたいものだなと自分に言い聞かせました・・・ところで特別陳列「お水取り」では、絶対秘仏とされる二月堂の本尊・十一面観音の、イラストといいますか、絵も拝見できました。誰かがどういった事情かで、見たことがあるということになりますね。僧侶も見ることができないことになっているはずなのですが。

コール&レスポンスで進むお経にも感銘を受けたのですが、当夜最高の衝撃を受けたのは、法螺貝(ホラガイ)の同時吹奏でした。松明の全部あがった直後8:15から8:30のあたり(これは規制があり二月堂にたどり着けなかったため聴いていません)、21時すぎ、23時すぎ、そして26:30と26:55(達陀の少し前)に鳴ったと思うのですが、自分にとっては、この何年かの間に聴いたサウンドの中で最も衝撃的なものでした。

二月堂の東側の局(つぼね)に、座っていたのでよかったのですが、立っていたら倒れていたかもしれません。まさに神々がまとめて来臨されるかのようなショック、鳥肌がたって息があらくなり鼓動が早くなり、身体中の関節がぶるぶる震えました。今これを例えてみると〜本当におかしな例えですが、オーネット・コールマンローランド・カークエリック・ドルフィーがいっぺんに渾身のロングトーンを鳴らしているかのような。。。似たような感覚におちいったのは、かつてこの曲を聴いたときでした→Jaco Pastorius- Crisis - YouTube
エレクトリック・ベースのジミ・ヘンドリックスとも言われる、ウェザー・リポートなどで活躍したベーシスト、ジャコ・パストリアス (Jaco Pastorius、1951年12月1日 - 1987年9月21日) による1981年発売の二枚目のソロアルバム『ワード・オブ・マウス』。この1曲目「クライシス」は、リズムトラックだけをあらかじめ録音し、これだけを聴かせてばらばらに各奏者のソロを録音。後からジャコがそれらをミックス・統合したと言われています。
関連リンク:法螺貝(ホラガイ)と修二会(しゅにえ) - じゃぽブログ

(J)

2015/3/5 特別展・特別陳列|奈良国立博物館 に関するURLを2015年のものに差し換えました。