じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

お能はエキサイティング! 故 小早川泰士 二十三回忌追善能

シテ方観世流能楽師の小早川修さんから、「故 小早川泰士 二十三回忌追善能」のご案内をいただきました。

故 小早川泰士 二十三回忌追善能

[日時] 4月14日(日)13:00
[会場] 観世能楽堂 東京都渋谷区松涛1-16-4
    アクセスは こちらのページ から左下の「観世能楽堂地図」をクリックしてご覧ください
[演目] 舞囃子「天鼓」、一調「鐘之段」、能「卒都婆小町」、狂言「鈍太郎」、独吟「放下僧 小歌」、舞囃子「松風 戯之舞」、仕舞「弱法師」「江口」「隅田川」「融」、能「石橋」
[入場料] S指定席= 前売 10,000円 / 当日 11,000円
      A指定席= 前売 9,000円 / 当日 10,000円
      B指定席= 前売 8,000円 / 当日 9,000円
      自由席= 前売 6,000円 / 当日 7,000円
      学生(35才まで)= 各席とも3,000円引き
[お問合せ] Tel.&Fax. 042-462-9350(修能会 小早川


故 小早川泰士(こばやかわ・やすし)師(1907.12.31.〜1991.4.14.)は、お父様の小早川精太郎師に師事して狂言方の修業の後、1941年、シテ方に転向して坂井音次郎師に師事し、シテ方観世流準職分になられたそうです。お兄様は、小鼓方幸流の人間国宝であった、故 幸宣佳師(写真は「安宅」のシテ=弁慶を演じる小早川泰士師 1967年)。
二十三回忌追善能は、ちょうど二十三回忌にあたる本年4月14日(日)、お孫さんの小早川修さん、そして曾孫にあたるお2人――小早川泰輝さんと、今春から高校生になる小早川康充さん――を中心に、宗家=観世清和師をお招きして催されるものです。独吟の浅見真高師は小早川修さんの恩師、浅見真州師は、泰輝さん・康充さん兄弟の恩師、その浅見真州師と一調で出演する小鼓方幸流宗家=幸正悟師は、故 小早川泰士師の甥御さん、など、故人に縁の深い方が集まっての追善能です。
小早川修氏夫人による解説が、とても解りやすくて面白いので、ご本人のお許しを得て、ここに転載させていただきます。

能をまだご覧になったことがない方、「石橋」はかなりエキサイティングです。その後の芸能の「獅子物」のルーツですが、能ってこんなにカッコイイの〜?と思われるはずです。音と沈黙をこんなに自在に駆使した音楽も類を見ません。是非一度ご覧くださいませ。
「卒都婆小町」は、丁度生誕680年を迎える観阿弥の作品ですが、夢幻能を大成させた息子の世阿弥の作風よりも、もっと会話劇の面白さが味わえます。杖をつかないと歩けない、よぼよぼおばあちゃんの小町ですが、口だけは達者で、深い仏教哲理でお坊さんをやり込めます。お坊さんに三礼されて気が緩んだのか、突然、かつて若かりし小町のもとに雨にも負けず風にも負けず通い、あと一夜で約束の百夜というところで儚くなった、元祖ストーカー=深草の少将の霊に憑りつかれてしまいます。さあ、大変、小町おばあちゃん!この顛末やいかに……! それは観てのお・た・の・し・み・です。
次男も、最初に「天鼓」の舞囃子をさせていただきます。何でも遊んでしまう(受験もしっかり遊びにしてしまっておりました――母の寿命はこの受験でかなり縮まったものと思われます――が、お蔭様で春から高校生です)天才(私には天災)ですが、どんな風に戯れてくれるのでしょうか。 湖の上で、星々の間で、銀河の合間で、せいぜい壮大に鼓と戯れていただきましょう。

なんだかワクワクしてきましたね!お能でエキサイトしてみたい〜!!
公演情報の詳細は 「シテ方観世流小早川家の公演記録ブログ」内公演情報ページ でご覧いただけます。このページの下の方にある「問合せフォーム」でも、チケットお申込みを受け付けています。
小早川修さんが演じた「石橋 師資十二段」の映像の一部がyoutubeでご覧いただけます。小早川修さんの登場は4分38秒〜「白獅子」を演じています。



さらに…横笛奏者=福原徹さんの CD「徹の笛」(VZCG-638) に収録されている福原徹さんの作品「男声独唱・笛・尺八のための三章 草の祈り」でも、小早川修さんのお声(男声独唱)を聴くことができます。
福原徹さんと小早川修さんとは、学生時代からの親しいお友達で、「草の祈り」の作曲にあたっては、小早川修さんとの交流も大きな力になっていたようです。



シテ方観世流小早川家 公式サイト
シテ方観世流小早川家の公演記録 ブログ


(Yuri)