じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

徳島で邦楽アウトリーチ

今年9月、「邦楽地域活性化事業 in 徳島」というブログ記事で財団法人地域創造の邦楽地域活性化事業のことを紹介しましたが、10月末から11月初めにかけて、徳島県内の中学校で2回、小学校で2回のアウトリーチ、それに地域のホールでワークショップがありました。

2日目の会場は小学校の第2音楽室。

6年のクラスを対象に「四季の『音』を聴こう」ということで、プログラムを手書きで用意。

まずは「春の海」(宮城道雄作曲)。演奏は日吉章吾さん(箏)と田嶋謙一さん(尺八)。

お箏について説明した後、夏の曲「線香花火」(宮城道雄作曲)。近頃の子は線香花火を知らないかも?というのでパネルを用意。演奏は光原大樹さん。

秋は、田嶋さんによる尺八古典本曲の「下り葉(さがりは)」。虚無僧の説明にもパネルを使用。

そして、冬は「水の変態」から「雨」「雪」「霰(あられ)」の部分を。14歳の宮城道雄が、弟が小学校の教科書を音読するのを聞いてこの曲を作ったというエピソードにちなみ、子どもたちに歌詞を声に出して読んでもらいました。

日吉さんと光原さんの合奏で、初めに印象的な「霰」を表現した部分を紹介。歌いながら弾くのも子どもたちには初体験だったよう。手事の部分では手元に視線が集中していました。

日本の四季を巡った後に、3人でもう1曲プレゼント。うって変わって南米をイメージした「El Salvador」(池上眞吾作曲)、私たちと同時代に生まれたノリのいい曲です。
いつもの授業とは違う様子に初めのほうは落ち着かなかった小学生たちが、アウトリーチが進むにつれどんどん演奏に引き込まれ、身を乗り出して聴いているのを目の当たりにして、こちらもどきどきしました。

終了後の交流では、みんな楽器にも演奏家にも興味津々。
翌日のワークショップに、この小学校の子たちがたくさん来てくれました。

(Y)