じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

旧井上房一郎邸


群馬県のJR高崎駅西口から少し歩いた高崎市美術館の敷地内に、旧井上房一郎(ふさいちろう)邸はあります。三月の初め、雪が建物のまわりに少し残っていました。
旧井上房一郎邸 | 高崎市

旧井上邸は、本市の文化振興に大きく貢献した井上房一郎の自邸として建てられました。音楽センター設計者の建築家アントニン・レーモンドの建築スタイルを取り入れたもので、戦前・戦後を通じて交流した井上とレーモンドの友情の証でもあります。 平成22年4月1日から高崎市が一般公開しております。

チェコ生まれの近代建築家アントニン・レーモンド(1888〜1976)が生み出した「レーモンド・スタイル」の木造建築で、井上自身が群馬の風土を考えアレンジしたものとなっています。太平洋戦争中を除く40年余りを日本で過ごしたレーモンドは、四季とともにある建築の在り方を日本に学んだとのことです。東京女子大学も彼の設計です。
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http://www.h6.dion.ne.jp/~arc-yama/sketch/ie/doc/tokyo/tonjo.html
高崎市美術館 | 高崎市

美術館の建物。入り口は黄色く囲われた部分です。現在は「自然への語らい―石澤久夫の仕事」展が行われており、300円の入場料で観ることができました。旧井上房一郎邸もこの料金内で見学可能です。庭も含めた空間全体がとても落ち着ける場所となっています。四季の様子が記載されたブログはこちら→庭園歳時記 | 高崎市
井上 房一郎(いのうえ ふさいちろう 1898〜1993)は家業である土木建築業を東証二部上場企業に成長させるとともに、その生涯を自身の信念に基づいた文化支援=パトロンとして全うしました。群馬交響楽団、群馬音楽センター、群馬県立美術館の設立などに深く関わるなど、高崎の文化の礎を創ったといえます…とあります→近代高崎150年の精神 高崎人物風土記 - 井上 房一郎 - 高崎のニュースサイト 高崎新聞


和室から庭を見たところ。建物内部の素晴らしい造りもさることながら、庭の樹木の配置まで計算されていました。別の季節にもまた訪れてみたいと思います・・・。敷地のまわりをふと見渡すと、近代的な背の高い建物が取り囲んでいて、現実世界に引き戻されることになります。

(J)