じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

第十八回日本伝統文化振興財団賞

平成26年度、第十八回日本伝統文化振興財団賞の受賞者が、上方舞の山村若(やまむら わか)さんに決まりました。
山村 若 氏

日本伝統文化振興財団賞」は、わが国の無形文化の保存・振興・普及に努めることを目的とする当財団の顕彰事業の一環として、伝統芸能分野で将来いっそうの活躍が期待される優秀なアーティストを毎年一名顕彰するものです。賞金は50万円。副賞としてDVDを制作し、受賞者の技芸を広く全国に紹介します。
山村若さんは、上方舞、山村流の六代目宗家家元で、日本舞踊の分野からは初めての受賞です。

[贈賞理由]
上方舞、山村流の家元として、地歌・上方歌の古典に艶のある舞の技量を示すとともに、流儀に残る歌舞伎舞踊の復元に心を砕き、優れた成果を挙げるなど、多方面での活躍にいっそうの期待が寄せられている。上方舞のみならず日本舞踊界の明日を担う存在として高く評価し、これを賞します。

山村若さんのプロフィールはこちらをご覧ください。→山村 若《上方舞》/第18回(平成26年・2014年度)受賞者 | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団
山村流は、文化・文政年間に三代目中村歌右衛門の振付師として、歌右衛門と共に今日の上方歌舞伎の礎を創ったとされる「山村友五郎」を流祖とします。若さんは今年9月、約120年ぶりに山村友五郎の名跡を三代目として襲名することが決まっています。
古典の伝承とともに創作活動にも意欲的で、今年100周年を迎えた宝塚公演の振付でもご活躍中です。舞踊のほうではすでに華々しい受賞歴をお持ちですが、ちょっと変わったところでは、2011年に「第5回ベスト・ファーザー in 関西(学術・文化部門)」に輝いています。地元の大阪にとどまらず各地を飛び回っていらっしゃいますが、やはり大のタイガースファンだとか。
日本伝統文化振興財団賞をこれまでに受賞された17名の方々はその後めざましい活躍を続けています。(これまでの受賞者→日本伝統文化振興財団賞 | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団) 新たに山村若さんが加わって、ますます今後の皆さまの飛躍が注目されます。
なお、副賞として制作するDVDは、年内に発売の予定です。襲名前の山村若さんとしては最後の作品になるかもしれません。その意味でも記念すべきDVDになりそうです。詳細が決まりましたら、またこちらでお知らせしたいと思います。

(Y)