じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

第三回中島勝祐創作賞

先日の日本伝統文化振興財団賞に続き、もう一つの当財団の顕彰事業である「中島勝祐創作賞」のお知らせです。今年の「第三回中島勝祐創作賞」は、9件の応募作品のなかから萩岡松韻(はぎおか しょういん)さんの「花の寺」に決定いたしました。
「中島勝祐創作賞」は長唄三味線演奏家、作曲家として創作邦楽の発展に大きく寄与した故 中島勝祐氏の功績を記念して創設された作曲賞です。創作活動を行う方の援助をしたいとつねづね語っていらした氏の遺志を継ぎ、邦楽の伝統を踏まえた創作を広く公募し、優れた作品を顕彰するものです。受賞作品は、中島勝祐氏の曲と一緒に収録したCDを当財団で制作・発行し、発売・頒布します。昨年の受賞作のCDはこちらです。

じゃぽ音っと作品情報:中島勝祐 創作賞 〈第二回〉「櫻姫」 /  髙橋翠秋/中島勝祐
中島勝祐創作賞の詳細と萩岡松韻さんのプロフィールについては、当財団のホームページをご覧ください。→ 第三回 中島勝祐創作賞 | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団
萩岡さんは山田流箏曲演奏家として第一線で活躍されていますし、東京芸術大学教授として後進の指導にもあたられているので、すでによくご存じの方も多いと思いますが、これまでの作曲作品は50曲以上にのぼるそうです。

受賞曲「花の寺」は紀州道成寺を題材に作られた曲で、千野喜資さんの作詞。全体的に「道成寺物」の雰囲気を漂わせています。編成は唄と箏、三味線、十七弦にお囃子が加わり、歌唱の中には山田流箏曲にある「返し」という曲調を取り入れているそうです。
まさに「邦楽の伝統を踏まえた創作」というのが聞きどころです。受賞曲は第三回中島勝祐創作賞記念CDで発表されますので、ぜひそのあたりをお楽しみいただければと思います。

(Y)