じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

財団賞DVD「山村友五郎(上方舞)」10月発売

第十八回日本伝統文化振興財団賞受賞者は上方舞(かみがたまい)の山村若さんですが、その副賞として制作されたDVDが、いよいよ10月22日(水)に発売となります。
山村若さんは贈賞式の翌月、7月に三代目山村友五郎を襲名されましたので、DVDのタイトルは「山村友五郎」となりました。(VZBG-50、定価3,500円+税)

収録作品は、上方舞の魅力たっぷりの次の3演目です。
1.「」(とおる)
2.「世界」(せかい)
3.「たぬき
上方舞といってもなじみのない方が多いかもしれませんが、まずはぜひご覧いただきたいと思います。私自身がそうでしたが、予備知識がなくても、きっとその美しさ、おもしろさを感じとっていただけることでしょう。
付属のブックレットの曲目解説は、関西在住の演劇評論家、廓正子(かまえ まさこ)さんに、日本舞踊や上方舞を知らない人にもわかりやすくとお願いしたのですが、たいへん読みやすく見どころを教えてくださいます。読んでから観ると、ますます上方舞の奥深さ、味わい深さに気づかされることでしょう。
友五郎さんは、1曲目の「融」では光源氏のモデルといわれた貴公子、源融(みなもとの とおる)を、2曲目の「世界」では京都・島原の廓(くるわ)に行き交う男女を一人で何役も演じ分けます。この2曲の演奏(三弦)は大阪在住の菊原光治さんです。
   「融」
 「世界」
そして3曲目の「たぬき」では、狸になります!
    「たぬき」
狸を鉄砲で撃とうとする宮守の役は、このたび友五郎さんと同時に襲名されたご子息の新・山村若さんです。歌と三弦は人間国宝の富山清琴さんで、狂言からとった地歌というだけあって、のりのいい楽しい曲です。藤舎呂浩(とうしゃ ろこう)さんのお囃子は、舞の動きとみごとにシンクロして、狸が腹鼓を打つと本当に「ポンポン」といい音が聞こえてきます。

たくさんの皆さまに観ていただき、お楽しみくださればと思っています。財団賞について→ 山村 若《上方舞》/第18回(平成26年・2014年度)受賞者 | 公益財団法人 日本伝統文化振興財団

(Y)