じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「尺八の神髄 明暗対山派全集」が文化庁芸術祭大賞を受賞!

平成26年度(第69回)文化庁芸術祭の受賞者が発表されました。レコード部門で、当財団の作品「尺八の神髄 明暗対山派全集」(酒井松道 CD4枚組)が大賞を受賞しました。

じゃぽ音っと作品情報:尺八の神髄 明暗対山派全集 /  酒井松道
酒井松道師は、「伝えられた曲を残したい」というこのたったひとつの願いに向かって、日々地道な鍛錬を積み重ね、数多の師から受けた教えに自らの思いを重ねてきました。そして、4年の歳月をかけて139曲すべてを新録音で残すという、前人未到の偉業を成し遂げ、次のCD三部作として結実させました。
1)「明暗真法流本曲全集」(全63曲、CD11枚組、2011年11月発売)
2)「尺八の神髄 明暗対山派全集」(全39曲、CD4枚組、2013年12月発売)
3)「虚無僧尺八〜伝承の軌跡」(全37曲、CD5枚組、2014年12月発売)
今回受賞した作品は、2作目の「尺八の神髄 明暗対山派全集」です。

文化庁発表の受賞理由には、次のように記されています。

明治4年太政官布告により、普化宗は廃絶。その後京都に明暗教会が設立され、樋口対山が尺八指南役となる。酒井松道は25歳で小泉了庵に入門して34曲伝授され、その後芳村普庵から5曲伝授された。酒井は両師に学んだものを次世代に伝えるために、虚無僧尺八の伝統に従って、地なしの一尺八寸管で録音し、助音を要す「鹿遠音」と「鶴巣籠」の他は、全てを一人で吹いていて、力強い仕上がりとなっている。

酒井師の尺八本曲の未来に向けた渾身の吹奏が、このような高い評価を受け、大賞受賞といううれしい結果を導いてくださったことは本当にありがたく、今年一年のよい締めくくりとなりました。


さて、今回も文化庁芸術祭では、伝統芸能関係の方々が多数受賞していますのでご紹介します。おめでとうございます!
[音楽部門]
大賞:清元美寿太夫・清元美治郎「二人会」(第二回清元美寿太夫・清元美治郎「二人会」の成果)
優秀賞:新内志賀(新内志賀の会 語りの系譜IIIの成果)
新人賞:田嶋謙一(田嶋謙一尺八リサイタルの成果)
新人賞:石堂翠子(第七回石堂翠子の地歌の会の成果)
[舞踊部門]
大賞:横浜能楽堂横浜能楽堂企画公演「琉球舞踊 古典七踊」の成果)
優秀賞:中村梅彌(中村梅彌の會の成果)
[レコード部門]
大賞:公益財団法人日本伝統文化振興財団 「尺八の神髄 明暗対山派全集」
優秀賞:(有)日本アコースティックレコーズ 「野村峰山尺八独奏会 〜流祖中尾都山作品より〜」
優秀賞:日本コロムビア(株) 「所傳 三谷清攬 〜三橋貴風 明暗/根笹/琴古 尺八本曲の世界〜」
平成26年度文化庁芸術祭受賞一覧

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