じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

『百』を巡る短歌コンテスト、候補作発表!


百人一首・千年の出会い」公演と連動して、募集いたしました、「百」を巡る短歌コンテストに多数の応募頂きありがとうございました。集まりました100首を超えるの素敵な歌より、天野慶さんに選歌頂いた候補作を発表いたします。

この中より1月22日の公演にて一首を発表、Yuki MORIMOTO(森本恭正)氏の音楽と共に平野啓子さんに詠んで頂きますので、どうぞお楽しみに!



【候補作】
===================================
百年に一度の恋と気づくにはまだまだ緩い山も谷間も (小坂井大輔)

その雨を虹へと変えてしまうから君の笑顔は今日も百点 (舞雪)

もう俺は沸騰しそう嘘ね百度は微熱のくせに (戸井島はな)

吾に似る五百羅漢の表情のひとつひとつを吟味してゐる (ポンタロウ)

池の鯉 瀬を上り滝上りして龍になる夢見るのだろうか (井上 治美)

君がいて 君に巡って 君に似て 百じゃ足りない この想い (まーくん)

世界一丁寧に百を数えてく湯船のなかの小さな指さき (からなし いさご)

三尺に未だ届かぬ百日草霜は見るまじ七回忌まで (田所勉)

「一日」が 積もり積もって「一年」に アイスクリームは天まで届く (ゆゐ)

君はだれと天城峠を越えたのか、吉永小百合山口百恵? (清水良郎)

百超えの父は里人戒名に「寿」もらい野辺を見下ろす (山本 明)

百度を踏んで生まれし孫娘泣くも笑うも家族の絆 (札谷 篤)

百年の 後に残らぬ 恋として 永久に響けよ わが恋の歌 (穂積 出雲)

木曜の昼の憂鬱ひたひたと百花蜂蜜くすませている (水無月

友達が百人できてもさみしいと先生ちゃんと教えてください (chari)

Googleで誰か検索したらしい「百年の孤独 入手方法」 (穂崎円)

百段の石段のぼった先にある景色をこの目で確かめたくて (柚木ことは)

目指したら たどり着けない その数字 何であっても 今を重ねる (ごきぶりロック)

福島(伊達)百年の 吊るし柿売る リヤカーが 「花が咲く」鳴らし つつ来る今日 (六月朔日 光 * わたぬき こう)

みつめあひ世紀を超ゆる歌生(あ)るる恋を夢見む君に逢ふとき (横雲)

変わらない変えてはいけないこともあり百円硬貨のおもて見つめる (みちくさ)

百年が 過ぎても花壇は 彩りを 変える変わらぬ 青空眺めて (タカノリ・ニシダ)

百年の恋の温度を確かめよう 君はわたしの わたしは君の (岡部美穂)

あなたとの百の思い出抱きかかえ 地に落ちるためだけの粉雪 (ほっちゃん

ろうそくを吹き消す風が百年後あなたの頬を包みますよう (空木アヅ)

忘れようと百度はたんと整えし右手は未だきみが恋しい (五十嵐えみ)

百年(ももとせ)か千年(ちとせ)詠めれば彼(あ)の人に
逢える気がして 歌人を気取る (真篠未成)

百億の甘い言葉の台詞より無言で触れてそのくちびるで (こころ)

我独り浜辺に立てばざわざわと百の波立つ寒月の宵 (快速特急

先着の百名様に入りたく朝六時より列に並びぬ (新井 由利子)

百からは減っていくもの あなたから
それが愛だと教えてもらった (あゆ)

霜月の百万遍を一度だけ君とふたりで歩いた記憶 (林 由実)

百恵ちゃんの息子がテレビで歌ってる二世の顔を隠しもしないで (野添まゆ子)

寄席にいて隣に君を眺めると噺家よりも百面相ね (だみお)

百度の輝き放つ炉の内部息づく気流を清しと覗く (山本 明)

戦没者追悼式に百歳の戦死者の妻参列したり (坂本雅則)

百年後僕らを誰も知らずともよみびとしらず言葉は永遠に (優雨)

九十九波を数えてあと一度打ち寄せたなら瓶を放とう (流川透明)

一〇〇本の赤いバラより一輪でよいので好きな花をください (大渕マコ)

古里に咲く山桜姥翁の念・怒見つづけ百年の過ぐ (山本 明)

ふたりならきっと短い百年だ互いの声を胸に満たして (高松紗都子)

おにぎりを ウサギの顔に かたどる器 百円ショップに 愛はあったよ (タカノリ・ニシダ)

百年を生きたことなどないけれど 再会までの日々は遠くて (あゆ)

十六年君は隣にいなかっただから一緒に八十四年 (うつせみ)

誰一人わたしの側に居なくても百首の歌とつながっている (えんどうけいこ)

歩き出せ見ている全てそこからは数多あるうち僅か百なり (今北紀美恵)

この世紀跨ぎし足は萎ゆ次は汝が越えゆけまだ見ぬ子らよ (蒼井 灯)

あと百回笑い合いたいあと百回頭ぶつけろ長身の君 (佐倉まり子)

百回はすでに会ってるはずだけど千回会っても君は謎だろう (真田菜摘)

百色の色鉛筆を欲しがった もう戻れない幼子の時 (森若 航)

百個目のイエスはたぶんさよならで指輪があっても変わらぬ僕ら (雨)

恐らくは百度はたんと整えし右手は未だきみを求めて (五十嵐えみ)

百円と思い取り出すぎざぎざの五十円玉の穴はが裏切り (工藤吉生)

散り散りの心を百も集めても 使い道ない忘れる以外 (あゆ)

来し方の百年を知る赤レンガ行く末見やる東京駅の眼 (野村真也)

柏手を二回放つと社(やしろ)より百の魂が木霊してくる (高田ほのか)

寝られない夜に百円ライターが暴発をしたような反省をする (たた)

逢ふさかへ 百の想いが伝われば
苦しくないはず チョコレイト (亜実@高1)

百までを父に直され二十ほど多く数えて今も長風呂 (三次則秋)

それだけが足りないばかりに真っ白な、白に黒々線を引きおり (ゆうれい(祐鈴))

100本じゃなくていいから欲しいのはあなたが摘んだ一輪だから (稲垣三鷹

ごめんねと言わせたわたし好きだよと言わせたかったとは言えないの (なっちゃん

生命を宿すあなたの手を引いて左京区百万遍交差点 (虫武一俊)

ぎゅうぎゅうと毎夜こころを締められて殺される糖度100のことばに (千原こはぎ)

百年を誓うのは嘘臭いけどたぶん二年は好きって言える (なるなる@花とチュロス

「さよなら」が掠れないよう百均のペンで手紙は書かないでおく (逢)

幾百と擦り切れるほど聞きし曲 奏で初めてその心知る (蒼井灯)

百聞は一見にしかず わたしたち抱きしめあってみればよかった
(nanami)

いつかまたお逢いしませう 百ページ目に挟んだ手紙そのままにして (桔梗)

世が世なら百戦錬磨と笑いつつ君はするする馬鈴薯を剥く (aki)

2本では上手に歩けないんだよ100本足の君になりたい (月丘ナイル)

一世紀生きた私の祖母がおりその分しわを蓄えていて (長月優@絶望くだもの)

百年後おなじ毛並みの猫を抱きおなじ桜の木で待ってます (大木はち(猫年))

観察に来る子がひっそり泣いていた百葉箱の記憶の中で (葛紗/カズサ)

臨月の腹囲は軽く百超えし
メタボの患者に在りし日のわれ (moonriver(月河まみ))

百歳の枝垂桜の根本には女が眠る今花盛り (螢子(ミナ・リン))

百年後洗い晒しの白骨になった私とお茶してくれる? (aki)

磨きたる革のかばんの育ちきて百年先の深き色想う (イオ@さくらもち)

百億の音階に咲く歌声のはるかは届き白きピエタに (真白)

ゾウガメのジョージはここで100年も前から雨の音を待ってる (やじこ)

星空を飛び越えたなら始めよう 百年先も止まらない歌 (Seira.A)

何度でもよみがえるけど百回を過ぎたころから胸が痛むの (nanami)

100年後 きみもわたしも ただの骨 それもしあわせ 一緒にいるなら (404notF0816)


===================================


どの歌が紹介されるかは当日のお楽しみ。
是非皆さんも会場に足を運んでお楽しみ下さい!


<公演情報はこちら>
http://concert.jtcf.jp/3918

(W)