じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

民謡GROOVEライブ

やわらかな春の日差しを感じた3月4日(土)、横浜・馬車道KING‘S BARにて「民謡GROOVE」のライブが開催されました。<民謡×ドラム>というコンセプトのライブ。2部構成で全国の民謡を披露。

【第1部】牛深ハイヤ節、どや節~大漁唄い込み、よさこい節よさこい鳴子踊り、しげさ節、磯節聴き比べ(磯節~五島磯節~南部磯節)、テネシーワルツ(民謡風ジャズアレンジ)

【第2部】こきりこ節(演奏)、神奈川県民謡メドレー(ダンチョネ節~チャッキラコ~野毛山節)、ホーハイ節、島唄メドレー(八丈ショメ節~神津節~安里屋ゆんた)、おてもやん (アンコール:南部俵積み唄)

 

ドラムはかたぎり聡さん。このライブでは民謡のメロディーを引き立てる素敵な演奏、アレンジのみならず、進行役として音楽への愛と優しいお人柄を感じる場面がたくさんありました。

唄はビクター専属民謡歌手の武花千草さん。この日はボーカリストと言った方がピッタリ。いろんな声色を聴かせてくれました。

津軽三味線は小山竜浩さん。小山流総師範として幅広くご活躍で、武花千草さんのお兄様。

そして尺八・横笛は三枝寿堂さん。どっしりとした音色の中にグルーブ感をあわせ持つ美しい演奏でした。

そして、お囃子として武花千草さんの娘、武花実乃梨さんが若々しい声で盛り上げてくれました。

長く唄い継がれている民謡に、現代の色を優しく添えたような、絶妙なバランスのアレンジで聴く民謡が心地よく、あっという間の2時間でした。

客席では、小山竜浩さん・武花千草さんのご両親で、尺八奏者の武花栄風さん、キングレコード専属民謡歌手の武花烈子さんも一緒にライブを楽しみました。

そして、この日武花千草さんがお召しになっていたのは、武花烈子さんが以前着ていた着物なのだと教えてくれました。美しい着物が母から娘へ、またその娘へと受け継がれるように、大切に守り続けてきた民謡も、同じように未来へ受け継がれるのだと感じたライブでした。

 

(K)

加賀山昭と紋を祝う会

令和5年2月26日(日)、歴史と伝統の街金沢にて、北陸民謡の第一人者、加賀山昭さんの公益財団法人日本民謡協会「技能章」受章、書籍「民謡 わが人生」出版記念、また、娘で同じく民謡歌手として活躍中の加賀山紋さんの「令和元年度石川県文化奨励賞」受賞を祝う会が盛大に開催されました。

オープニングには、加賀山紋さんの胡弓弾き唄いにチェロと箏という編成で「こきりこ節」。加賀山会の皆様の唄と兼生会の皆様の踊りによる「七尾まだら」で、華やかな開宴となりました。



発起人代表の石川県知事 馳 浩様の心あたたまるご挨拶をはじめ、東京からお祝いに駆け付けた民謡歌手の原田直之さん、高橋キヨ子さんらの艶やかな唄声が披露され、終始和やかな雰囲気の中での祝う会となりました。

終盤、受章の喜びと感謝の気持ちを唄に込めて「福光めでた」他、北陸民謡の数々を唄われたお二人。

父と娘で北陸民謡の代表曲とも言える「越中おわら節」を唄った時には、出席者の誰からともなく自然と踊り出し、北陸の地に息づく民謡の奥深さと底力を感じました。

これからも更に活動の場を広げ、北陸の地から全国へ向けて熱い想いを発信してくださることと思います。

 

*** プロフィール ***

■加賀山昭さんは、石川県珠洲市生まれ。民謡歌手としてこれまでに北陸民謡を中心に唄い続け、かつて北陸で唄われていた民謡の発掘と採譜をライフワークとし、それを譜面や録音物として残しています。

令和2年に民謡歴50年を記念して発表したCDアルバム「加賀山昭民謡集~うた探し 夢探し~」には、自ら発掘・採譜した貴重な民謡が多数収録されています。

 

■加賀山紋さんは平成17年のデビュー以来、数々の舞台に出演しながら着実に経験を積み、民謡以外にも声楽、長唄囃子方の勉強にはげみ、芸の幅を広げる努力を重ねられました。平成21年「紋もよう/加賀山紋の民謡」をリリース。平成26年には「北國芸術賞」を受賞。民謡の発展の為に、児童館、小学校などで民謡教室を開いています。最近では、民謡以外の活動にも意欲的に取り組み、民謡をベースとしたマルチプレイヤーとして幅広い活躍をされています。

                              

 

(K)

郷土芸能への思いを知る

先日の朝日新聞の「声」欄が郷土芸能を特集していました。大人に交じって、地元の伝統芸能を絶やさないようにと問題提起をする長崎県の高校生や民族の舞踊が心の支えになっているという朝鮮初級学校生の投書が印象に残りました。また、ユネスコ無形文化遺産に登録された早池峰神楽(はやちねかぐら)を例に芸能の伝承には演じる側だけでなく目の肥えた観客(見巧者)の存在が重要だとする意見もありました。全国から寄せられたこうした生の声をわれわれももっと知る必要があると感じた次第です。

 

当財団では、CDのみならず音楽配信サービスでも聴ける郷土芸能関連タイトルを増やしつつあります。その魅力を世界に発信しながら、伝承を確かなものにする一助になればと願っています。

(茶目子)
郡上踊(ぐじょうおどり)はユネスコ無形文化遺産「風流踊(ふりゅうおどり)」の一部、奄美大島は同自然遺産に登録されています。
「郡上おどり」「郡上のうた」3/8配信開始。
「奄美しまうたの原点 中山音女」配信中。

 

 

 

 

 

 

 

創作邦楽集団[夢玄MUGEN]、混迷の世に一撃を放つ新プロジェクト始動。

創作邦楽集団[夢玄]が4作目となるCDアルバムを制作中。

人類を脅かす感染症パンデミック、多くの人命を犠牲にしながら終わりの見えない戦争…。混迷の時代を生きる私達に鮮烈なメッセージを送る新プロジェクト夢玄Ⅳが動き出します。

この夏、何かが起こる。

@ビクタースタジオ

1st Album 

2nd Album  

3rd Album

ストリーミングをご利用の方はApple/Amazon/Spotify/LINE/AWA/YouTube/レコチョク等で「夢玄」と検索をしてお聴きください。

啓蟄の候

しばらくお休みしていた本ブログですが、土の中で冬ごもりをしていた虫たちに倣って、本日より再び動き出します。

この一年力を注いできたのが伝統音楽ジャンルの音楽配信です。

当財団ではこれまでに約1,000タイトルのCDを発行してきましたが、その中から権利的に配信可能な音源をピックアップして、昨年4月より順次リリース中です。現在、箏曲地歌、尺八、胡弓、琵琶、邦楽囃子、小唄、端唄、雅楽、声明、民謡、舞踊歌謡、沖縄・奄美の音楽、創作邦楽・現代邦楽、大正琴、クロスオーバーといったジャンルの161タイトル(2/18現在)を配信中で、今後も新作を含めリリースを続けていきます。

レーベルとして音楽配信を開始すると、配信事業者から毎月実績レポートが送られてきます。そこにはどの曲が何回聴かれたかのデータが付されているのですが、これがとても興味深く見ていて飽きません。伝統音楽のジャンルはポップスと違ってヒットチャートのようなものがありませんから、今どのような音楽が支持されているかを知る貴重な手がかりになります。

そこで、本日は「ここ数ヶ月最も聴かれている曲」をご紹介したいと思います。ただし、伝統音楽と言っても、あくまでも当財団がこれまでに配信リリースした音源が対象であることと、そうは言っても再生回数の絶対数はまだまだ小さいことをお含みください。

昨年9月から12月までの間にストリーミング全般でよく聴かれた曲ベスト5は以下の通りです。

 

「紅葉の橋」(栄芝「芝で生まれて/栄芝の端唄」より)

「生命の海」(土取利行「瞑響・壁画洞窟—旧石器時代のクロマニョン・サウンズ」より)

「二十四季風雅頌 かんざし」(夢玄「伝説の誕生」より)

「二つの個性」(正派邦楽会「箏・三弦 現代名曲集(二十三)」より)

「ロンドンの夜の雨」(安藤政輝「宮城道雄を弾く2 箏独奏曲全集」より)

 

また、YouTubeでは

「新さんさ時雨」「宮城長持唄」(おもだか秋子「民謡(うた)の道」より)

「都踊」(安藤政輝「宮城道雄を弾く 7 春を謳う」より)

「せかれ」(春日とよ栄芝「舞踊小唄春夏秋冬」より)

がもっとも多く再生されました。

 

箏曲と民謡が多く聴かれているのはお稽古で何度も聴くという方がいらっしゃるからでしょうか。邦楽創作集団〈夢玄〉による「かんざし」と栄芝の端唄「紅葉の橋」はいずれも舞踊の方々に人気があるようです。「生命の海」はフランスの洞窟で鍾乳石や石筍を叩いて出る音を録音したもので国を問わず聴かれています。

 

音楽配信はメディアの変遷に対応するために必要なことですが、世界の隅々にまで音楽を届けられる利点を生かして、日本の伝統音楽を開かれた文化にしていく契機になればと願いながら、配信準備に向き合う日々です。

(茶目子)

 

※本文中のリンク先は、配信タイトルの紹介のためすべてダウンロード専用の当財団直営ストア〈じゃぽオンラインストア〉になっています。ストリーミング再生でお聴きになる場合はApple, Amazon, Spotify, LINE, AWA, YouTubeレコチョクなどの有料もしくは無料・広告付きサービスから「検索」をしてご利用ください。

頌 春 「伝統を未来に…」

 日本伝統文化振興財団は、一九九三年ビクターエンタテインメント社を基金元として設立され、爾来伝統音楽・芸能に関するCD・DVDの公刊、SPレコード音源のアーカイブ化と「歴史的音源(国立国会図書館)」での公開、主催公演、顕彰や演奏会支援による実演家育成、三味線貸出による邦楽教育支援、国際交流などの活動に取り組み、今年三十周年の節目を迎えます。これもひとえに各界関係者の皆さまの多大なるご支援、ご助力の賜物と心より厚く御礼申し上げます。
 この間、われわれを取り巻く環境はネットとデジタルの時代の到来やコロナ禍の影響などにより大きく変化しました。こうした中、昨年には伝統音楽ジャンルに特化した音楽配信事業を立ち上げました。一月一日現在、百四十一タイトルのCD音源を配信中で、今後毎月タイトル数を増やしていく計画です。
 本年もスタッフ一同初心を忘れることなく、「伝統を未来に」を合言葉に、新しい時代にふさわしい伝統文化・音楽文化の振興に取り組む所存です。
 皆さまには、変わらぬご支援ご協力を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

   令和五年元旦


公益財団法人日本伝統文化振興財団
理事長 市橋 雄二

「伝統を未来に・・・」2022

頌春

 

 日本伝統文化振興財団は平成五年の発足以来、日本の伝統文化の振興と発展に向けた公益事業に取り組んでまいりました。引き続き無形文化の記録・保存・公刊、公演支援、国際交流、教育支援など日本の伝統文化を支える事業を推進していく所存です。
 近年の音楽聴取メディアの変化はコロナ禍によってさらに拍車がかかり、ネットを利用した音楽配信にとどまらず世界に向けたライブ映像配信なども広がりつつあります。弊財団と致しましては伝統の未来への継承を確かなものとするため、従来の事業に加えて新たに録音・録画物の配信事業に取り組んで参ります。
 皆さまには、変わらぬご支援ご協力を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

 

   令和四年元旦

 

公益財団法人日本伝統文化振興財団
理事長 市橋 雄二