じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

本の紹介

『日本音楽のなぜ?』

当財団発行のCDの解説や、紀尾井小ホールなどの邦楽演奏会のナビゲーターとしてもおなじみの竹内道敬先生が、『日本音楽のなぜ?』という本を出されました。 (左右社 定価:1850円+税 B6判/並製/200ページ) →日本音楽のなぜ? 歌舞伎・能楽・雅楽が楽し…

宮城道雄先生を知る〜没後60年を迎えて

先日6月25日は、「盲目の天才箏曲家」「現代邦楽の父」と言われ、近代箏曲界のみならず邦楽界全体に革命を起こした大検校・宮城道雄先生の命日でした。かつてはアイドル並みの人気をほこり、雑誌にグラビア写真も掲載されるなど邦楽界だけではなく広く一般…

宮城道雄没後60年の年に

本年2016年は「盲目の天才箏曲家」「現代邦楽の父」などと称された宮城道雄の没後60年にあたります。1956年(昭和31年)6月25日、演奏旅行に向かう夜行列車からの転落による最期は、当時の人々に大きな衝撃を与え、哀しみをよんだそうです。宮城道雄はそれほ…

染井吉野発祥の地、駒込散歩

4月の第2土曜日、駒込周辺を散策しました。お花見の予定で計画していたのですが、今年の東京は開花、満開、花吹雪とかけ足で、残念ながら桜はほとんど散ったあとでした。 駅の横で、こんなかわいいポストに気がつきました。裏に「ソメイヨシノ発祥の地」とあ…

有吉佐和子の「断弦」

有吉佐和子の小説「断弦」が、先月文春文庫の新刊で出ていました。オビに「地唄の世界を舞台に描かれる芸の継承、父娘の確執――」とあったので、迷わず手にとりました。 この人の代表作「地唄」はずいぶん前に読んだことがあるのですが、ほかにこんな作品もあ…

「スクリプターはストリッパーではありません」新刊書の紹介!

斬新なタイトルにびっくりされた方もいらっしゃるでしょうか。 国書刊行会から発売された白鳥あかねさんの著書・新刊書のご紹介です。 詳細はこちら→http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336056825/ 先月、フリーランスの編集者・高崎俊夫さんから「今、私…

「いとみち」

三味線を弾く女の子の表紙にひかれて、「いとみち」(越谷オサム著、新潮文庫)を読みました。 極度の人見知りを直したいと、思い切ってメイドカフェでアルバイトを始めた女子高校生、いとちゃんが様々な人に出会い、成長していく物語・・・ですが、バイト先…

原色 日本島図鑑、生月島

最近ニュースで時折報道されていた小笠原諸島西之島の新島。 「西之島の新島部分、2カ月で10倍 小笠原諸島」(朝日新聞デジタル/2014年2月22日) そんな島をめぐる話題が多いからでしょうか、作業の合間、休憩時にふと眺めていた図鑑をご紹介します。 「原…

第3回神社検定と公式テキスト、民俗芸能の世界

一昨年より始まった神社検定、ご存知でしょうか? 昨年の第2回は平成25年6月2日に2級(弐級)、3級(参級)の試験が行われたそうですが、今年の第3回から、ついに壱級が登場するとのことです。神社検定のホームページによると、現在検定の申込受付中で、受付…

洋楽渡来考再論 箏とキリシタンとの出会い

今春、「洋楽渡来考再論 箏とキリシタンとの出会い」が日本キリスト教団出版局から刊行されます。【DVDタイトル映像】[:W440]この書籍は「再論」とタイトルされているように、16世紀に宣教師が日本を訪れ、キリスト教布教を行った時代に西欧の音楽=洋楽…

絹はスゴい

暦の上の春はとっくに来ているのに、大変な大雪が日本各地に降りましたね。私は、相変わらず寒くて、寒くて、重ね着・厚着をして過ごしております。重ね着といえば、ヒートテック等、最新テクノロジーを応用した化学素材が有名ですが・・・ 一方で自然素材の…

百人一首 百うたがたり by 天野慶

それとなく知ってはいても、大人になって色々と、時雨殿館長の吉海直人先生の本(一昨日のブログでご紹介)など読んでみると「こんなに深いものだったのか!!」と改めて発見の連続と言える百人一首に感嘆しております。当財団では1/24にこちらの公演を…

百人一首の殿堂、時雨殿

百人一首の著名な研究者で、百人一首グッズのコレクターでもある吉海直人(よしかいなおと:同志社女子大学教授)先生が館長を務めていらっしゃる、小倉百人一首殿堂 時雨殿(しぐれでん)。 嵯峨嵐山文華館 京都・嵐山の渡月橋から大堰(おおい)川の左岸を…

正月はなぜめでたいか

そんな今更、3日後のことを言われても…...とお思いでしょうが、暫しお付合いください。 年末年始の休暇中に多少は片付けを、と家の中を見回したら、書架に1冊の本が目に留まりました。 正月はなぜめでたいか 暮らしの中の民俗学 岩井宏實 著 大月書店 刊 1…

「和歌を歌う」

あと二週間ほどで2013年、平成25年が終わり、新年を迎えることになりますね。私が思い出す新年の行事のひとつは、宮中での歌会始(うたかいはじめ)の儀。本日公開したじゃぽマガジンの記事、聴き比べてみよう!「春の海」のなか、「春の海」の説明に歌会始…

「あきらめる」健康法

ちょっと風変わりなタイトルの新書を最近興味深く読みましたので、ご紹介させてください。 『自律神経を整える「あきらめる」健康法』小林弘幸 順天堂大学医学部教授 著(角川oneテーマ21) 「あきらめる」というと通常は「諦める」という消極的な言葉に置き…

Fethno 小泉文夫没後30年記念企画

「エスノ」「エスニック」……いまでこそ、音楽だけでなく、ファッション、料理など、私たちの生活の中のいろいろなシーンで用いられるこの言葉。西洋文明とは別の魅力溢れる文化が、世界中にあることを、私たちは知ることができ、触れることができるようにな…

芸術の秋におすすめ「ドレミを選んだ日本人」

時節がら「芸術の秋」という文字を色々なところで目にしますが、ふらっと入った渋谷区の小さな図書館でも見つけました。 「芸術の秋 邦楽を楽しもう」 おおっ!ナイスなテーマのミニコーナーが出来ておるではないですか! 早速のぞいてみると、能狂言の楽し…

映画「ハンナ・アーレント」

ちょうど「人間の条件」を読んでいたのですが、著者の女性哲学者ハンナ・アレント(ドイツ系ユダヤ人、1941年アメリカ合衆国へ亡命)の映画が、10月26日(土)に岩波ホールでロードショーのスタートを迎えていました→映画「ハンナ・アーレント」オフィシャルサ…

お神楽ナイト!

先日来、じゃぽブログでは、神楽(かぐら)がちょっと話題ですね! 石見神楽、ワールド神楽フェス Kagura meets Jazz 江戸里神楽 トップジャズ・ギタリスト競演 ところで皆様は、神楽をご覧になったことがありますか?――いま、「ある!」とおっしゃった方の…

ファルスタッフ(ヴェルディ)/フォールスタッフ(シェイクスピア)

先月来日したミラノ・スカラ座の2013年日本公演 ヴェルディ生誕200年祭> 、ご覧になった方も多いと思います。1975年生まれのイギリス人ダニエル・ハーディングが指揮したのはヴェルディ最後のオペラ「ファルスタッフ」。1893年にスカラ座で初演された喜劇で…

吉永小百合朗読会 in いわき

2013年9月21日、「祈るように語り続けたい 吉永小百合朗読会 ヒロシマ・ナガサキ、そしてフクシマ」が、いわきアリオス中劇場で行われました。主催は、佐藤紫華子を囲む平和の集い実行委員会、共催は公益財団法人日本伝統文化振興財団。当日は心配された地震…

イグ・ノーベル賞、音のなんでも小事典

最近、イグ・ノーベル賞 日本人7年連続受賞というニュースがありました。こちら一部引用させていただきます。 帝京大学などの研究グループが、心臓移植をしたマウスにオペラの「椿姫」を聴かせたところ、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも拒絶反…

横道萬里雄の能楽講義ノート

きょうは、先ごろ発売になった1冊の本をご紹介したいと思います。 ひのき能楽ライブラリー 横道萬里雄の能楽講義ノート【謡編】 CD付 檜書店 刊 1976〜84年のあいだ、東京芸術大学音楽学部で、横道萬里雄(よこみち・まりお)先生による、お能についての授…

1969年

●1969年ってどんな年だった? ピンク・マルティーニとのコラボで一躍話題になった由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」が深夜のラジオから流れ、透き通るような歌声に魅了された1969年。歌詞の意味もわからないままに覚えた新谷のり子さんの「フランシー…

「民俗」と「民族」

ツイッターのフォロワーの方から“「民俗」と「民族」ということばは、どう違うの?”というお問合せをいただきましたので、思いつくまま、書いてみます; 民俗=folkすなわち大衆の、民間伝承の、ということで、これが「芸能」や「音楽」に付く場合は、専門の…

24&72

昨日に続いて季節の話題から。「日本の七十二候を楽しむ -旧暦のある暮らし-」(東邦出版)という本をご紹介します。 すでに20万部を超えたとの記事もあります→http://www.asahi.com/national/update/0308/TKY201303080065.html コンセプトがオビに。「日本…

「駅メロ!THE BEST」

通勤通学の際、駅でふと耳にするメロディ……たとえば発車する際の合図であったり、列車の接近を知らせてくれる合図であったりと、普段から馴染んでいらっしゃる方も多いかと思います。そういったメロディが、熱心なファンのあいだでは「駅メロ」という言葉で…

今月のおすすめ本「宮城道雄藝談」

梅雨がやってきて、外出することがつい億劫になる日が続きます。 さりとてずっと家にいても退屈だし…。そんな時には、気分を変えて読書でもしてみようか という気になりますね。6月といえば、6月25日は『現代邦楽の父』といわれる宮城道雄氏の命日でもある…

第2回神社検定公式テキスト

昨年、神社検定公式テキストの話題をお伝えしていました→◆。 今年も検定が予定されていることは、japojpのTwitterでも話題になっていたので、ご存知の方も多いかと思います。 昨年は3級(参級)のみでしたが、今年はさらに難易度の高い2級(弐級)も加わり、…