じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

再放送:清元延寿太夫 清元梅吉

この秋に放映されて大きな反響を引き起こしたNHKのドキュメンタリー番組『若き宗家と至高の三味線〜清元二派88年ぶりの共演』が、今晩NHK BShiで再放送されます。

追記●見逃した方、BShiが視聴できない環境の皆様に朗報です。2010年11月22日(月)【21日(日)深夜】0:40〜4:40 NHK BS2 で再放送があります。

ご存知の方も多いと思いますが、歌舞伎や邦楽舞踊の音楽で知られる浄瑠璃「清元(きよもと)」には二つの流派が存在します。清元宗家の高輪派と清元流の梅派。分裂して以来この88年間、一緒に演奏する機会は全くありませんでした。しかし伝統芸能の継承を第一義に考えたときに、いつまでもこの状態でいいのかどうか。2010年初頭の稽古始めから8月の歴史的な合同演奏の舞台へと向かう一刻一刻に滲み出る当事者たちの摸索と葛藤。「芸の真髄」とは何か、視聴者の心に深く訴えかけてきます。邦楽には普段縁のない方にも、ぜひご覧いただきたい番組です。

放送は、第一部が「芸の真髄」シリーズ第4回として、2010年8月24日に国立劇場大劇場で収録された公演「清元 〜清き流れひと元に〜/清元延寿太夫清元梅吉。演目は、一「四季三葉草」、二「隅田川」、三「お祭り」。引き続いて第二部が上記ドキュメンタリーとなります。

11月6日(土) 午後10時〜午前1時9分
BSハイビジョン 『プレミアムシアター』
芸の真髄シリーズ第4回「清元延寿太夫 清元梅吉
ドキュメンタリー「若き宗家と至高の三味線」

上記HPの番組紹介文から、ドキュメンタリー番組の説明を引用します。

一世紀近く怨念を抱えたまま、共に同じ舞台に登ることのなかった二つの派が、今回、その禁をやぶる。延寿太夫と梅吉の世紀の競演が「芸の真髄」の舞台で実現されることとなった。ついに、若き宗家・延寿太夫は重大な決断を下した。周囲の反対を押し切り分派した梅吉派と手を組む。宗家はプライドを捨ててどこまで裸になれるだろうか。
一方、神の三味線・梅吉は舞台を通し、若き宗家に何を教え託そうというのか。真剣勝負の付帯の稽古や私生活に密着し、名曲「隅田川」を二人で作り上げていく過程を追う。語る延寿太夫、三味線の梅吉、芸にかける二人の家元の魂と意地の激突を描く。

番組放送後にはインターネット上でも数多くの反響がありました。そのうち、いくつかをご紹介します。

arekore 
オレ様☆劇場 


梅派の四世清元梅吉さんは「天才」と称され、その圧倒的な実力は邦楽界では知らぬ者がない破格な音楽家。かつてビクターに吹き込んだ名演奏の数々はまとまったかたちで復刻されることがなく、長らく幻の存在となっていましたが、昨年(2009年)の夏、清元梅吉さんと京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター所長の久保田敏子さんのご協力・ご助力を得て、当財団から2枚組の作品集を2セットのかたちで初CD化することができました。至高の三味線芸の世界を、ぜひご堪能ください。

また当財団から発売している清元節関連作品はこちらになります。
昨今、純邦楽のCDは一般レコード店では常備されなくなっていますが、当財団のCDは原則として常にこちらで在庫を用意していますので、お近くのレコード店を通じてお取り寄せいただくか、または各種インターネット・ショップによってお求めいただくことが可能です。(なお、現時点では当財団での直接頒布・販売は行なっておりません)

(堀内)