じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「宇宙戦艦ヤマト」のことなど

お健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
制作担当うなきです。本年もよろしくお願いいたします。

SPACE BATTLESHIP ヤマト」公開中ですね。普段からあまり映画館へは行かないので、まだ見ていないのですが、「宇宙戦艦ヤマト」の実写版だと聞いたときは、びっくりしました。ヤマト世代で、本放送よりは、夕方5時半頃からやっていた再放送を毎日見ていました。中でも好きだったのが、音楽です。
オープニングテーマでは、冒頭イントロ部分の主旋律の後ろで、エコーのように追いかけるメロディーが、4小節目の4拍目から一緒になって始まるところで、何故?かいつも感動していました。 ♪ ア〜ア〜で歌われる「無限に広がる大宇宙」を聞いた時も、綺麗な曲だと思いましたし、宮川泰さんによる音楽は、各シーンで感動を与えてくれたと思います。あとは余談ですが、古代くんを担当されていた富山敬さんの声が好きでした。

ところで話は変わるのですが、昨年末に忘年会がございまして、お招きしていたT理事長とお話する時間があったのですが、
T理事長:「アンニョンハセヨ」  ──うなぎ:「アンニョンハセヨ〜」
T理事長:「善徳女王(ソンドクジョオウ)見た?」 ──うなぎ:「いえ、まだです。」
T理事長:「すごく面白いから!」 ──うなぎ:「そうなのですか?」
というわけで、ここからは韓流。

隣に座っていたエンジニアのHさん(12/8ブログでも登場)が、「僕らの年代の男性で、韓流ドラマのこと熱く語る人はじめてかも。ボクなんか、冬のソナタ、30分もたなかったよ。」
というので、男性もハマる韓流となると気になりだし、冬休み『善徳女王』見てみました。これが、すごく面白かったです。新羅(BC57〜AD935)初の女王(第27代目)の話で、登場人物のミシルは、女王と敵対する関係ですが、そのカリスマ性と美しさにどんどん惹き込まれてしまいます。とりわけ、ミシルVSトンマン(善徳女王)の哲学論争は勉強になりました。(結果的には、ピダム落ちです。)

ところでここでも、とても気になったのが、音楽ですね。
ドラマの中で使用されている音楽がとても良く、効果的に使用されていて、さまざまな名場面もこの音楽無しでは感動半減?と思われるくらいでした。「足音」という曲は、韓国のミュージカルで活躍されているというホン・グァンホさんと、イギリスのオペラ歌手ポール・ポッツさんが歌われているバージョンがあって、最初違う曲かと思ったくらいです。
その中にちょっと気になる曲がありました。「ピジェ」という、ドラマ中では武芸対決などのシーンで使用される曲ですが、たぶん伽耶琴(カヤグム)で演奏していると思うのですが、私が持つ伽耶琴のイメージを破る激しさで、沢井忠夫氏作曲の「独奏十七絃と箏群のための焔(ほむら)」を思い出しました。(と、やっと日本伝統音楽に戻ってくる。「焔」収録のCDは11/17 と12/30 のブログをご覧下さい。)「焔」の前半部分に、ピチカートによる奏法があるのですが、差し迫る迫力が似ています。どちらもかっこいいです。

せっかく韓流の話題ですので・・。弊財団からは、韓国の梵唄『靈山齋(ヨンサンジェ)』というCDが出ています。
ソウル市内の奉元寺(ポンウォンサ)に伝承されている、日本の声明に相当する仏教音楽で、「靈山齋」という韓国仏教最大の法会と音楽を現地収録したものです。その源流は、仏教の全盛期であった新羅・高麗時代までさかのぼるそうです。そういえば、「善徳女王」ドラマの中でも、トンマンが仏教によって王権を強化しようとするシーンありましたね。

(制作担当:うなぎ)