じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

DVD能と花の二夜

山本東次郎家狂言のDVDを以前紹介しましたが(→◆)、つづいて能・狂言のDVDを2つご紹介します。
惜しまれつつ姿を消した円形劇場「札幌メディアパーク・スピカ」での能・狂言シリーズ、最終上演「能と花の二夜」のライブ公演を収録したもので、いけばなとのコラボレーションによる「幽玄と花」の世界です。
—能と花の二夜— 能「土蜘蛛」・狂言「鐘の音」
—能と花の二夜— 能「道成寺

出演:観世喜正、野村萬斎、ほか
舞台美術:勅使河原 茜(いけばな草月流家元)
2007年9月28、29日
札幌メディアパーク・スピカ ライブ公演
字幕:日本語=謡(全文)、あらすじ、解説
English=synopsis, commentary

能「土蜘蛛」
平家物語に出てくる源頼光が土蜘蛛(つちぐも)の精を退治したという話に拠っています。長さ8メートルもある数十本の糸を「これでもか!」というくらい何度も投げかけ、グルグル巻きにされながら闘う派手な演出で、海外公演でも人気が高い曲です。いけばな草月流家元・勅使河原茜によるコラボレーション(花いけ、舞台美術)も必見です。

狂言「鐘の音」
鎌倉に行って純金の値段(かねのね)を聞いて来いと命じられた太郎冠者は、お寺の「鐘の音(かねのね)」と早合点してしまい…。太郎冠者が一人でかもしだす寺の情景と鐘の音色をお楽しみください。

能「道成寺
旅僧・安珍(あんちん)に思いを寄せた清姫が蛇の姿になって、鐘に隠れた安珍を灼熱の恋心で焼き殺したといわれる「清姫伝説」が元になっています。能の技法の全てが凝縮された、心技体の全てが完成して初めて演ずることが許される大曲。重さ100Kg近くもある鐘が落下して飛び込む「鐘入り」が有名ですが、「乱拍子(らんびょうし)」「急之舞(きゅうのまい)」へと続くシテと囃子方の真剣勝負も見どころの一つ。いけばな草月流家元・勅使河原茜による舞台美術も必見です。(マルチアングルパート)

詳細はホームページをご覧ください。
じゃぽ音っと作品情報:—能と花の二夜— 能「土蜘蛛」/狂言「鐘の音」 /  観世喜正、野村萬斎、勅使河原茜(花いけ) ほか
じゃぽ音っと作品情報:—能と花の二夜— 能「道成寺〜赤頭」 /  観世喜正、野村萬斎 ほか

(Y)