じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

歴史的音源が公開されます

5月31日から国立国会図書館は、歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)がデジタル化した歴史的音源のうち、約2,500の音源について館内での公開を始めました。 このうち、著作権及び著作隣接権の保護期間満了が確認された約100の音源については、インターネットでも提供されます。
今後、6月末(予定)に約18,000の音源を追加するのをはじめ、提供準備の整った音源を順次追加し、最終的には約50,000音源を提供する予定です。
国立国会図書館「デジタル化資料」は、これまで書籍や絵図のデジタル化資料を検索・閲覧できるサービスがありましたが、そのなかに「歴史的音源」の資料も加わったのです。まずはこちらをご覧ください。そして聴いてみてください。
http://dl.ndl.go.jp/#music
音源提供の主体となったHiRACは2007年4月27日に設立されました。かつて時代の世相を伝えるメディアとして重要な位置づけを占めていたSP原盤が、時代の経過とともに、散逸・消失・劣化し始めていることから、歴史的・文化的価値の高いこれらの音源を保存し、広く公開、伝承することで、日本の文化と音楽産業界の発展に寄与することを目的としたものです。
日本伝統文化振興財団は、他の5団体(日本放送協会日本音楽著作権協会日本芸能実演家団体協議会、映像産業振興機構、日本レコード協会)とともに設立メンバーとなり、保存と運用に向けて辛抱強く検討を重ね、デジタル化の作業とメタデータの整備を進めてきました。その過程で幸いにも国会図書館で保存されることが決まり、4年目にしてようやく公開にこぎつけることができました。
明治・大正・昭和のすぐれた演奏や得難い記録の音源をたくさんの方々に知ってもらい、活用していただきたいと思います。
国立国会図書館のプレリリースによると、詳細は次の通りです。

平成23年5月31日
国立国会図書館の施設内で提供する音源:2,485点
うち、インターネットで提供する音源:99点

平成23年6月末(予定)
国立国会図書館の施設内で提供する音源:18,361点
うち、インターネットで提供する音源:487点

■ 音源のレーベル
日本放送協会NHK)、ビクターエンタテインメント、EMIミュージック・ジャパン、日本コロムビアキングレコードテイチクエンタテインメント(順不同)の6レーベルの音源が含まれています。

■ 今後の予定
提供準備の整った音源を、順次国立国会図書館の施設内またはインターネットで公開していきます。 また、公立図書館でもすべての音源が視聴できるように、検討、準備を進めています。

(Y)