じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

浜木綿忌

6月25日は箏曲家、宮城道雄の命日、浜木綿忌(はまゆうき)でした。宮城道雄は明治27(1894)年生まれ。昭和31(1956)年6月25日、自作の「越天楽協奏曲」を朝比奈隆指揮の関西交響楽団と演奏するために、大阪に向かった夜行急行「銀河」から転落し、帰らぬ人となりました。遺作となった歌曲の題名にちなんで「浜木綿忌」と名付けられたそうです。
たまたま6月24日に、Eテレの「にっぽんの芸能 芸能百花繚乱」で「現代邦楽の息吹 箏の巨人ふたり」として宮城道雄と中能島欣一を特集していました。55年前に亡くなった宮城道雄の「ロンドンの夜の雨」の演奏や、中能島欣一と共演した「さしそう光」の珍しい映像が流されたほか、宮城の肉声も紹介され、興味深い番組でした。
CDでも宮城道雄の演奏や語りを数多く聞くことができます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。→『宮城道雄 合奏曲集成』(5CD) - じゃぽブログ
また。今年の5月31日から公開された国立国会図書館の「デジタル化資料」の「歴史的音源」から、インターネットで聴くこともできます。→国立国会図書館デジタルコレクション
今現在インターネットで聴くことができる宮城道雄の演奏は、「秋風の曲」「秋の言の葉」「秋の調べ」「衛兵の交替」「数え歌変奏曲」「コスモス」「谷間の水車」「千鳥(の曲)」「八段」「春の海」「紅薔薇」「鈴虫」の12曲です。
この歴史的音源はSP盤がもとになっているので、曲によってはいくつかの音源に分かれています。SP盤が片面に3分半程度しか収められないため、それより長い曲は分割されて収録されていたからです。蓄音器で再生する本物の音とは違いますが、ノイズも少なく、後押しなどの響きもわかり、往年の名演奏がしのばれます。
歴史的音源の公開についてはこちらの記事をご覧ください。→歴史的音源が公開されます - じゃぽブログ

(Y)