じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

メゾ・ソプラノ 保多由子さん

本日は、歌曲のCDをご紹介します。

先日7月1日、武蔵野市民文化会館小ホールで、メゾ・ソプラノの保多由子(やすだ よしこ)さんと、ピアノ・作曲の寺嶋陸也(てらしま りくや)さんによる、聖ヨハネホスピスのためのチャリティーコンサート「茨木のり子谷川俊太郎をうたう」が、開催されました。

保多さんは、ソロリサイタルを中心に、ミサ曲、オラトリオ等の独唱、創作オペラなどにご出演、また日本歌曲の初演や紹介など、多彩な活動を続けていらっしゃいます。また寺嶋さんは、オペラや室内楽曲、合唱曲などの作品を多数作曲され、またピアニストとしての演奏など、多方面でご活躍されています。

保多さんのファーストアルバム「武満徹SONGS見えないこども」(ビクターエンタテインメントよりリリース)は、武満 徹の作品を歌うアルバムです。セカンドアルバムは、当財団よりリリースされた「シンプル ソング a simple song」です。

コンサートでは、この「シンプル ソング」にも収録されている、寺嶋陸也さんの作品「こどもたち」他、全18曲が歌われました。
CDの制作に携わらせていただいたときから感じたのは、保多さんの歌には「祈り」が込められている・・というか、上手く言えないのですけれども、いろいろな思いが伝わってくる、というか。保多さんの応援団長(?)Sさんの言葉をお借りすると、「美しい魂から発する妙なる調べ」ですね!
『何のために歌うのか。何を歌うのか。誰に歌うのか。これらの問いについて、このアルバムに収められた歌は、どれも深く関わっている。その問いへの答え、というようなものは、たぶん存在しない。あるのは、その問いによせるひとそれぞれの思いだけだ。』と、このアルバムをプロデュースされた寺嶋さんが、プログラムノーツで書かれているように、アルバムに収められた1曲、1曲から、問いかけがあり、聴く人の心の中で、答えになる、そのようなアルバムです。

標題となったバーンスタイン作曲の「シンプル・ソング」をはじめ、茨木のり子与謝野晶子谷川俊太郎の詩に、寺嶋さんが作曲された曲、またギタリストの鈴木大介さんの編曲による曲も収録されています。保多さん自身が、自分への応援歌と称している、三善晃作曲「一人は賑やか」は、鈴木大介さんによるギター伴奏で収録されています。

鈴木大介さんのブログを拝見しましたら、昨年の保多さんとのツーショット写真が。「いつも素敵です。」と一言そえていらっしゃいました。わたしも、同意です。素敵です。
当日会場で(保多由子さん)

(制作担当:うなぎ)