じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

不滅のシンボル〜鳳凰と獅子


北山鹿苑寺 ほくざんろくおんじ(金閣寺photo(c)2011rn
japogirlのブログ→サントリー美術館へ - じゃぽブログを見て、早速「不滅のシンボル 鳳凰と獅子」展に行って参りました。そこで、鳳凰について・・・。
京都には何度も行っていたわけですが、今まで行きそびれていた金閣寺鹿苑寺)を初めて訪れたのが、今年の三月でした。
燦然と輝く金閣寺、初めて屋根の上の鳳凰を観た感想は、これ本物?

(ホームページ→http://www.shokoku-ji.or.jp/kinkakuji/guide/kinkaku_hoo.htmlより)
あまりに真新しく、手塚治虫氏の「火の鳥」のように可愛らしくて、室町時代の造形物というイメージとずれていたのです。

手塚治虫の漫画『火の鳥 鳳凰編』の表紙)
金閣は昭和25年の放火により焼失、新しい鳳凰は昭和30年春の再建時のものであり、近年また昭和の大修理に際し、装いを新たにしたそうです・・・納得。

さて、前出の美術展では旧金閣所在の鳳凰の像が展示されていました。金箔は剥がれていて黒い鳳凰でしたが、これこそ室町時代に造られ、明治37〜39年の修理の時に、再使用に耐えぬものとして寺に保存されていたものだそうです。

鳳凰の話からは外れますが、高校の国語の教科書にこんな話があったのを覚えています。(作家の名前は失念しました。。。)
「古い神社などを訪れた際に神殿の柱や鳥居などが鮮やかな朱色に塗ったばかりであると外観に違和感を感じて残念に思う人もいると思うが、それは日本人のもつ『わび・さび』の美意識からではないだろうか。しかし、『わび・さび』の精神は室町時代以降のものであって、それ以前は、神社に使用される朱色は生命の躍動などを意味し、魔除けの目的があるので、鮮やかに塗り直されなければならない、ということになっていた・・・」
私も金閣寺に『わび・さび』を期待していたのでしょうね。
火の鳥』(手塚治虫) - 登場キャラクターの「火の鳥」は、鳳凰やフェニックスがモデルと思われます。フェニックスは100年に一度、自らの体を炎で焼いて再生するそうです。金閣鳳凰も不死鳥のごとく新生したということになりますね!
手塚さん関係では、こちらをご参照ください。
アトムの足音が聞こえる(公開決定、サイト紹介) - じゃぽブログ
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(J)