じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

10/8〜10 高田瞽女ふたたび

<高田瞽女ふたたび>(共催:上越市、高田瞽女の文化を保存・発信する会)。10月8日(土)〜10日(月・祝)までの三日間、雁木の街並みで有名な高田の街に瞽女唄(ごぜうた)が流れ、瞽女さんの貴重なドキュメンタリー映像(大島渚監督)が上映され、瞽女さんを描いた絵画が展示され、詩が朗読されます。「高田に家を構え、演奏活動で生計を立てていた盲目の女旅芸人達は頸城一円の村々を廻る旅の中、雁木通りの町家に暮らしていました」。以下はこのチラシに掲載されている情報です。

<高田瞽女 ふたたび>
共催:上越市、高田瞽女の文化を保存・発信する会
お問い合わせ:きものの小川
Tel. 025-522-3400
Fax. 025-522-3143
高田瞽女の文化を保存・発信する会(高田瞽女 ふたたびの道) ホームページ
※駐車場について
それぞれの会場には駐車場を用意しておりますが、台数に限りがあります。本町商店街の有料駐車場、鉄道とバス、自転車のご利用にご協力ください。


瞽女文化を伝える芸術展
『高田瞽女の旅を描いて』
斎藤真一作品展(入場無料)
日時:2011年10月8日(土)・9日(日)・10日(祝) 午前10時〜午後5時
場所:きものの小川 2階 〔本町7丁目 駐車場あり〕


申込優先

大島渚 監督作品 記録映画上映
瞽女・盲目の女旅芸人』
昭和40年代の風景が瞽女唄とともによみがえります。
池田敏章さんのお話し会
日時:2011年10月8日(土) 午後6時30分〜8時
場所:高田小町
定員:70名(先着順)(入場無料)
申込:9/26(月)から、きものの小川にて受付
電話:025-522-3400


ミニライブ 要申込 70名

▼高田瞽女唄演奏会
『町屋で瞽女唄を聞く』
三味線と唄 月岡祐紀子
日時:2011年10月9日(日) 14:00〜14:40 旧今井染物屋(建物内のミニライブ)
定員:70名(先着順)(入場無料)
申込:9/26(月)から受付開始
高田瞽女の文化を保存・発信する会事務局 きものの小川にて受付します。
電話:025-522-3400
<午後1時半スタート、門付け唄の演奏時間と場所>
13:30〜13:45 高田小町
15:00〜15:15 麻屋高野
15:30〜15:45 きものの小川
※上記スケジュールは予定で、若干前後することがあります。詳細は、上越市役所文化振興課へ(025-526-5111)


▼渡部 等 個展
瞽女と花を描く』
日時:2011年10月6日(木)〜10日(月・祝)
場所:遊心堂2階 〔商店街本町4丁目駐車場をご利用ください〕
会期中イベント
瞽女唄ミニコンサート
三味線と唄 金川真美子
2011年10月9日(日) 15:00〜15:50

詩の朗読「瞽女と峠」
詩人 国見修二
関田峠、牧峠、富倉峠、高田の瞽女が通った峠の映像と解説も。
2011年10月9日(日) 15:50〜16:30


「高田瞽女の文化を保存・発信する会」が発行している『瞽女文化だより』最新号(第7号、平成23年9月1日発行)では、高田瞽女を描いたことでも知られる画家・斎藤真一作品の研究家で作品を蒐集していた池田敏章さんが、今年の5月30日に、上越市にコレクションを寄贈されたことが紹介されています。(上越タウンジャーナルの記事はこちらです→ 「500万円の絵も! 斎藤真一の51点上越市へ寄贈」

その池田さんも今回のイベントにご出演になります。10月8日(土)の大島渚監督の手による瞽女さんのドキュメンタリー映画の上映に続けて、今回寄贈した絵を巡ってのお話し会があります。(『瞽女文化だより』によれば、池田さんは11月12日、13日にも、上越文化会館で今回の寄贈についてお話しになる機会があるようです)

斎藤真一さんの瞽女ゆかりの作品は大変有名ですが、まとめて見ることができる機会は限られています。今回、高田の「きものの小川」での展示は、斎藤真一さんの絵に関心のある方は必見でしょう。高田の町家内に展示された斎藤さんの絵は、美術館の白い壁に架けられた状態とは違って、一段と深い魅力を放っています。

昨年秋、わたしはきものの小川さんでの斎藤真一さんの絵の展示を観に行きましたが、絵画それ自体とその絵が置かれている空間全体が共鳴し合い、作品の奥に広がっている瞽女さんの生きた時間の堆積に、絵を見ている私自身の現在の時間がそのまま繋がっているようにも思われて、親しみと哀しみ、切なさと喜びが胸に迫って、本当に言葉では言い尽くせない体験で感激しました。そのときにも、きものの小川さんの店内では月岡祐紀子さんによる瞽女唄の公演があり、当ブログ過去記事でもご紹介しました。→ 「瞽女唄街道in雁木」(2010年10月09日)

月岡祐紀子さんのホームページはこちらです。瞽女さんについても色々な情報がまとめられています。
三味線奏者 月岡祐紀子ウェブ


ところで、丁度今、高田とは少し離れた場所ですが、飯山でも瞽女さんのイベントが開催されています。

飯山市ふるさと館
企画展「高田瞽女さんと飯山」
会期:平成23年9月6日(火)〜10月30日(日)
時間:午前9時〜午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
休館は毎週月曜日(月曜日が祝祭日の場合は翌平日)

盲目という逆境と厳しい掟のなか、唄と人々のふれあいを求めて時代を乗り越えてきた女旅芸人・瞽女(ごぜ)。楽しみのほとんどなかった時代、奥信濃飯山の人々も瞽女の訪れを待ち、瞽女宿での唄とふれあいを楽しみにしていた時代がありました。本企画展では、最後の高田瞽女といわれた杉本シズさんと交流された瞽女研究家・杉山幸子さんの資料をもとに展示します。瞽女さんの生き方とそれを支えた地域の温もりを感じとっていただければ幸いです。(飯山市ふるさと館)

こちらのブログ記事(『瞽女街道を行く』 2011/09/20 「高田瞽女さんと飯山,飯山市ふるさと館*企画展」)に、詳しい情報が掲載されています。

電車や車を使ってアクセスされる方は、この機会に高田と飯山と両方を巡ってみてはいかがでしょうか。


最後に、ギャラリーでの斎藤真一展についてお知らせします。東京駅八重洲口近くの不忍画廊(SHINOBAZU GALLERY)では、9月5日(月)から今週末の24日(土)まで、「おとなNO遊園地 斎藤真一 '60年代 VS 中佐藤滋 新作展」が開催されています。明後日23日(金)は祝日ですが開廊とのことです。

斎藤真一が瞽女を描く以前(1960年代)の貴重な初期作品と、現代社会を冷ややかに見つめるような男と女を描く画家・中佐藤滋との二人展を開催します。渋い色調とモダンな構成で描く、おとなの画家による異色の二人展です。(不忍画廊)

画家・斎藤真一さんは、瞽女や吉原の遊廓などを描く以前、遊行の民やジプシーなど不思議な人物や風景を描いた作品を残しています。今回取り上げられるのは、そうした1960年代の初期作品です(油彩・素描など10点)。

中佐藤滋さんは1947年生まれ。今回は新作と未発表作(アクリルペインティング、鉄の立体、ガラス絵など)の20点ほどを展示。どれも独特な世界観を感じさせる作品です。

(堀内)