先週、新国立劇場の中劇場で文化庁芸術祭主催公演「天守物語」を観ました。明日18日19時から、19・20日は13時からと、まだあと三回の公演があります。作=泉鏡花、演出=白井晃。
帰宅してから岩波文庫で戯曲を読み直したのですがかなり忠実な上演になっていました。泉作品の残酷ながらも美しい怪奇的幻想的タッチにはまり、続けて「夜叉ヶ池」、ついでに坂口安吾「桜の森の満開の下」まで読んでしまいました・・・
劇中で使用される音楽などが流れます→天守物語 | 新国立劇場
作者の生前には舞台化されなかった作品ですが、死後は数々の舞台上演だけでなく、1995年には坂東玉三郎監督・主演、宮沢りえ共演で映画化されています。新国立劇場のホームページに『天守物語』の主な上演歴が掲載されています→天守物語 | 新国立劇場
特に玉三郎さんが演じた<富姫>の妖艶さは舞台でも映画でも有名ですね。じゃぽ音っとブログの読者の皆さんの中にはご覧になった方も多いことでしょう。白井氏は、玉三郎さんの作品があまりにも有名でご存知の方にはこれでイメージが出来上がってしまっているので、あえて自分は他の方が演出した作品は全く観ないでまっさらな状態で原作を読み、自分なりのイメージで舞台を作っていきました、とお話されていました。
音楽は三宅純氏。ピナ・バウシュ、ヴィム・ヴェンダース、ボブ・ウィルソン、フィリップ・ドゥクフレ、オリバー・ストーン等に作品提供なさっていて、多くのCM音楽も手がけられています。白井晃氏の演出作品の中では『音楽劇 三文オペラ』『ガラスの葉』『中国の不思議な役人』『ジャンヌ・ダルク』『幽霊たち』などをご担当。2003年にドイツのベルリン・ジャズ・フェスティバルに出演されたときは現地で拝見しています。
(J)