じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

蓄音器見たことありますか?

こんにちは。寒い一日となりましたが、風邪などひかれていませんか。今日は天皇誕生日でしたが、年月が経つのがどんどん早くなっているように感じる今日この頃、平成の世になったのもつい最近の事のような気がしている方、きっと他にもいらっしゃいますよね!?

本日、さいたま市産業文化センターホールで「藤山一郎 誕生100年コンサート」(主催:NPO法人 名曲慰問団)が開催されました。第1部は、蓄音器による藤山一郎の若き歌声を聴くコーナー、第2部は、藤山一郎の名曲を唄うコーナーで、出演は『月がとっても青いから』などのヒット曲で知られるで菅原都々子さん他、石川やすひとさんの司会で進行しました。この、さいたま市産業文化センターホールの杮落としに、藤山一郎さんがいらしたこと、そして遺品の一部が、最寄のさいたま市立与野図書館に展示されているというご縁があるそです。

1911年生まれの藤山一郎さんは、今年生誕100年とのことで、日本コロムビアテイチクエンタテインメントビクターエンタテインメント、そして弊財団よりCDアルバムが発売されました。

上写真の左側は、弊財団よりリリースした「国民的歌手 藤山一郎全集〜テイチク・ビクター編〜(3枚組)」です。22歳から6年間にわたる若く輝かしい歌声を復刻、全部で75曲収録されています。右の2枚は日本コロムビアよりリリースされたもので、「決定盤 国民的歌手 藤山一郎全集(上)〜栄光の軌跡〜」「決定盤 国民的歌手 藤山一郎全集(下)〜貴重な遺産〜」です。特に、〜貴重な遺産〜編では、初CD化した音源が多く、聴きどころも多いそうです。ビクターエンタテインメントからは、「藤山一郎 ジャズを歌う」です!(写真下)

藤山一郎さんは、平成4年に国民栄誉賞を受賞され、平成5年に逝去されるまで、その素晴らしい歌声で私たちを楽しませてくださいました。と、言っても私はすこし時代がずれているので、「あの、♪あた〜らしい朝が来た、の『NHKラジオ体操の歌』は、藤山さんの作曲だったのですね!」とか、「そういえば高校の修学旅行で長崎に行った時、バズガイドさんが、『長崎の鐘』を3回歌ってくれて、それで覚えた曲だったなぁ〜」とか、そういう感じです。それでも歌番組に、藤山一郎さんと、それから美空ひばりさんが出演されると、釘付けになっていましたね。
と、まぁ会場で、蓄音器をききながら考えていたのですが、どうも、舞台上で蓄音器を操作する方に見覚えが・・・?あら、以前別のお仕事でお世話になった高橋さんではありませんか! 高橋重種さんは、さいたま市(旧大宮市)ご出身の蓄音器愛好家で、クラシックから歌謡曲まで幅広くSPレコードをコレクションされています。
というわけで、舞台裏で蓄音器を見せていただきました。
これは、高橋さんが所有する「英国HMV163大型コンソール型蓄音器」で、1929年製だそうです。弊財団事務所の近所にある「蓄音機の梅屋」さんで購入されたそうです。

下の方が扉になっていて、開くとスピーカーが出てきます。SP盤を乗せる部分には、パイプのような部分があって、針をつけて回すと振動でスピーカーから音が出てきます。その仕組みは、トランペットのイメージだということです。とても大きな良い音がします。


蓋の内側に、ニッパーくん(犬)がいました。上手に撮れず、すみません。

早速、SP盤をかけていただきましょう。針をつけています。そして、スピーカーの右側にネジの差し込み口があり、ぜんまいを巻きます。巻かれた渦巻きが元に戻ろうとする力で、ターンテーブルが回転します。この時、同じ速度でぜんまいを巻かないと、切れてしまうことがあるそうで、それが難しいそうです!

高橋さん、ありがとうございました!あれ、高橋さんの写真もちょっとブレていますか・・スミマセン。

(制作担当:うなぎ)