じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

吉田兄弟 in 明治座


明治座(東京、日本橋浜町)の「和の祭典 吉田兄弟」の公演に行ってきました(2012年4月28日(土)16:00〜)。地下鉄浜町の駅を出ると、初夏を思わせる日差しに若葉がきらめいていました。
明治座といえば花道のある劇場でお芝居を観に行くところ、というイメージだったのですが、この日は満員のお客さんが津軽三味線を中心としたライブをたっぷりと楽しみました。

出演は吉田兄弟のほかに、兄の良一郎さんが手がける新・純邦楽ユニット「WASABI(わさび)」と弟の健一さんがプロデュースする若手の津軽三味線集団「疾風(はやて)」。
まず、吉田兄弟をのぞいた「WASABI」+「疾風」の7人の演奏で幕が開き、続いて健一さんと「疾風」による津軽三味線の演奏。メンバーの4人はいずれも腕自慢の20代で勢いがあり、ハーモニーをきかせる合奏曲は新鮮な響きでした。紅一点の柴田愛さんが兄の雅人さんとうれしそうに弾いていて、柴田兄妹にも注目してしまいました。
そして、良一郎さんが加わった「WASABI」が全員洋服で登場。三味線、鳴り物、尺八、箏の編成で、一転してバンド感あふれる変化にとんだ音の重なりと広がりに会場は盛り上がりました。オリジナル曲「紅蓮」などのほか、おなじみの「ふるさと」や「こきりこ節」のアレンジ曲でもそれぞれの楽器が活躍し、大いに沸きました。
休憩をはさんで、いよいよ吉田兄弟オン・ステージ。当財団では二人のファースト・アルバム「いぶき」とセカンド・アルバム「MOVE」を出しているのでなじみはあるのですが、生で聴くのは初めて。その迫力に圧倒されました。

「百花繚乱」「鼓動」「アイヤ」と二人の世界を作り上げ、客席の拍手も一曲ごとに大きくなっていきます。そして、最後の「津軽じょんがら節」は圧巻でした。ファースト・アルバムにも収録されていますが、お二人の原点ともいうべき作品なのでしょう。これを楽しみに通っているファンもいるようです。
鳴り止まない拍手に応え、アンコールは出演者全員が参加して、朗読劇「マクベス」からの曲、そして全員バージョンの「いぶき」で締めくくりました。
この日は明治座で昼夜2回の公演でしたが、年齢層はいろいろ。明治座の常連さんとおぼしき年配の女性もいれば、若い人も多く、お目当てのアーティストのファンらしき女性も。和楽器でこれだけの人を楽しませてくれる公演は、なかなかできないことだと思います。
WASABI」「疾風」の皆さんともども応援していきたいと思っています。会場では先月リリースされた「WASABI」のCDも販売されていました。

じゃぽ音っと作品情報:WASABI /  WASABI

(Y)