じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

伊豆中木節

先日友人から、今年のゴールデンウィークに伊豆へ行って来たという話を聞きました。東京から伊豆はそれほど遠くありませんが、なかなか行けないものですね。温泉にも入りたいし、海の幸も堪能したい!そんなことを考えながら、伊豆を唄った民謡を探してみたところ、ありました!弊財団からも昨年6月にカセットでリリースした「伊豆中木節」。唄うのは富田房枝さんです。
[:W250]
ハァ 伊豆の中木の 小城(こじろ)の浜で
(ハァ ヨイトコリャ サッサ)
泣いて別れた アリャサノサーエ エー こともある
(ハァ 良いこと中木じゃ またおいで 
エー 今度は泣くまい 泣かせまい ハァ ショメ ショメショメ)

伊豆の中木は伊豆半島の南端石廊崎に近い西海岸の漁港で、帆船時代には暴風雨などを避けた諸国の船が寄港する非難港としてにぎわったそうです。その中木港の色街で生まれた酒席の騒ぎ唄で、三味線に合わせて広く歌われた唄です。囃子言葉の「ヨイトコリャ サッサ」という調子の良い響きがこの唄の魅力と言えます。他の地域では、岩海苔かきの時、海にもぐって海藻を採る時や艪をこぎながら歌った労作唄としても唄われていたそうです。

といった感じで、仕事や旅行で訪れる土地の民謡を調べてみるのは楽しいです。その地域ならではの作業唄などから、かつての生活を想像したり、今もなおその当時の色を残す場所に感動したり・・・。その度に民謡っていいな〜と思います。
もし機会がありましたら、ぜひ「伊豆中木節」、聴いてみてください。

(K)