じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「中島勝祐創作賞」

第16回日本伝統文化振興財団賞の贈呈式の日、6月5日(火)が近づいてきました。今年の日本伝統文化振興財団賞受賞者は清元三味線方の清元栄吉さんです。そしてこの日にもう一つ、今年は「中島勝祐(なかじまかつすけ)創作賞」の第1回の贈呈があります。すでにこちらのブログでもお知らせしたとおりですが(→第十六回日本伝統文化振興財団賞のお知らせ - じゃぽブログ)、この賞についてもう一度ご紹介しましょう。
「中島勝祐創作賞」は、創作邦楽の発展に大きく寄与した中島勝祐氏(なかじま・かつすけ 1940〜2009)の功績を記念して、中島勝祐記念会の支援によって新しく創設した賞です。中島氏は長唄三味線演奏家・作曲家として「松・竹・梅」をはじめ数多くの(110曲)舞踊曲等を作曲しました。三味線弾き語りによる独自の「創作上方浄るり」などの創作もあり、当財団からCDが3枚出ています。作品の内容と詳しいプロフィールはリンク先をご覧ください。

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中島勝祐氏は、日本の伝統音楽の様式を踏まえた創作活動をする人たちを支援したいと常々もらしていたそうです。残念ながら2009年に亡くなられましたが、その遺志を継いで設立されたのがこの賞です。
邦楽のさまざまな分野で作曲する人は多く、伝統を未来につなぐ大きな力となっています。演奏会や後進のための教材という場合もありますが、舞踊家から依頼されて新作を書くケースも多いそうです。中島勝祐さん自身も舞踊家に数多くの作品を提供し、その舞踊公演の数々が芸術祭の賞を受けています。
しかし、一般の人が聞く機会は少ないうえ、舞踊が再演されないと演奏される機会がなくなり、世の中には埋もれてしまった作品も多いようです。そこでこの賞は、邦楽の伝統を踏まえた創作の中から広く応募作品を求め、優れた成果を示す作品を顕彰し、光をあてることを目的としています。
第1回中島勝祐創作賞は、清元紫葉(きよもと・しよう)さんの『清元新作「山姥(やまんば)」ー夕月浮世語(ゆうづきうきよがたり)ー』が受賞しました。「中島勝祐創作賞」の詳細と清元柴葉さんのプロフィールはこちらをごらんください。(→http://www.japo-net.or.jp/nakajima/
6月5日は紀尾井ホールで午後5時からの贈呈式に続いて、午後6時から記念演奏会が開かれ、清元栄吉さんの披露演奏に加えて、清元柴葉さんの受賞作品も披露されます。今回はたまたまどちらの賞も清元の三味線の方が受賞されたのですが、清元の古典「六玉川(むたまがわ)」、清元栄吉さんの創作曲「触草〜クサニフレレバ」、そして清元柴葉さんの清元新作「山姥」が演奏されます。それぞれ聞き比べてみるのも興味深いことと思います。
なお、第二部では「若き継承者たち」として、民謡の「郷みん'S(きょうみんず)」と邦楽ユニットのWASABI(わさび)が出演します。どちらもユニークな活動を続ける人気グループです。お楽しみいただけることと思います。
直前となりましたが、まだ座席に余裕がありますので、どうぞこちらからお申し込みください。→http://japan.japo-net.or.jp/news/zaidansho16_concert_notice.shtml
入場は無料です。お待ちしています!

(Y)