じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

ワーグナー『ローエングリン』

本日は新国立劇場ワーグナーのオペラ「ローエングリン」を観ました。ひとことでいうと、好奇心は猫をも殺す - Curiosity killed the cat. といった筋でしょうか・・・全然関係ありませんがそういう名前のバンドがありました→Curiosity Killed The Cat Ordinary Day - YouTube
以下ウィキペディアより。

ローエングリン』(Lohengrin)は、リヒャルト・ワーグナーのオペラ。台本も作曲者によるもので、10世紀前半のアントウェルペンを舞台とする。以降に作曲された楽劇(Musikdrama)に対し、ロマンティック・オペラと呼ばれる最後の作品である。バイエルンルートヴィヒ2世が好んだことで知られる。第1幕、第3幕への各前奏曲や『婚礼の合唱』(結婚行進曲)など、独立して演奏される曲も人気の高いものが多い。初演は1850年8月28日、フランツ・リストの指揮によりヴァイマル宮廷劇場で行われた。

アントウェルペンアントワープとも呼ばれますね(現ベルギー第二の都市)。作品の順番としては『タンホイザー』の次、このあとは五年ほど作曲を封印し、そのあとが『指輪』『トリスタンとイゾルデ』になります。

以下は新国立劇場のHPよりの紹介文。

新国立劇場開場記念公演より15年、満を持しての新制作で登場するワーグナーの名作です。1997年の開場記念公演は、ワーグナーの総本山、バイロイト祝祭劇場の当時の総監督で、作曲者の孫でもある(故)ヴォルフガング・ワーグナーによる新演出で、作曲者ワーグナー本人が「自分の作品のうちでもっとも悲劇的なものだ」と語ったこの作品を、重厚な舞台装置と知的で正統的な解釈で創り上げました。今回の新演出を託したのは、バイロイト祝祭劇場で、このW.ワーグナーやキルヒナーといった多くの演出家のアシスタントを15年以上務めて研鑽を積み、新国立劇場さまよえるオランダ人』(2007年)で本格的オペラ演出デビューを果たしたM.v.シュテークマンです。同じくバイロイトで活躍した美術・衣裳担当のロザリエとのコラボレーションも大変楽しみです。また、現代最高のローエングリンともいわれるフォークトや、メルベート等、第一線で活躍するワーグナー歌手をまとめ上げるのは、ドイツオペラの第一人者として世界各地で高い評価を受けている指揮者ペーター・シュナイダーです。2013年ワーグナーイヤーを半年後にひかえた、新国立劇場の新しい『ローエングリン』にご期待ください。

新国立劇場では、このあと6月10日、13日、16日の3回の公演がありますので、あらすじに触れないでおきますが、どうしてもという方は検索してみて下さい。

このワーグナー本人による台本の悲劇的な結末は、当初から物議を醸してワーグナー自身もハッピーエンドの案を考えたこともあるようですが、結局のところは、いやいや、当初の結末で…ということに落ち着いたようです。

「好奇心」つながりで・・このオペラとはまったく別の話ではありますが、自分が小さい頃に親から神社で買ったお守り袋の中身を見てはいけない、と言われたことを思い出しました。なぜか?と親に聞くと「御利益が無くなるから」との答えでした。御利益を信じて中身を見てはいけません。。。

さて、曲については、特に第3幕の『婚礼の合唱』は、いわゆる「ワーグナーの結婚行進曲」として、メンデルスゾーンの『結婚行進曲』(『夏の夜の夢』の劇付随音楽から)と並んで有名なので、誰もがお聴きになったことがあるでしょう。

この公演で素晴らしかったのは、白鳥の騎士と言われるローエングリン役のテノール歌手クラウス・フロリアン・フォークトの柔らかな美声です! フォークト氏はもともとはホルン奏者だったそうですが、2007年に「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のワルター役でワーグナーの殿堂バイロイトにデビューして大評判になり、ローエングリン役もニューヨーク・メトロポリタン歌劇場ミラノ・スカラ座はじめ各地で演じていらっしゃいます。昨年夏のバイロイト音楽祭でもローエングリン役で大成功を収めて話題になりました。従来の重いワーグナーテノールとは異なり、「モーツァルトテノールのよう」とも言われるほど柔らかな明るいテノール。私はこのような声質のテノールを初めて聴きましたがすっかり魅了されました。【再掲】オペラ「ローエングリン」クラウス・フロリアン・フォークト待望の登場!最新動画インタビュー公開!|ニュース|新国立劇場
フォークト氏の美声は舞台でお楽しみ下さい。
こちらのCDでは第1幕への前奏曲と第3幕への前奏曲がお楽しみいただけます→じゃぽ音っと作品情報:ワーグナー名演集〈xrcd〉(2枚組) /  指揮:アルトゥーロ・トスカニーニ NBC交響楽団

(J)