じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

CD『箏・三弦 現代名曲集(23)』ご紹介

先日5月30日に、CD「箏・三弦 現代名曲集(二十三)」が発売になりましたので、ご紹介させていただきます。本CDは、正派邦楽会が主催する准師範試験課題曲を収録したCDです。
今年で23集となりますが、古典曲から現代曲まで、幅広いレパートリーの曲が収録されています。作曲家ですと、唯是震一、中島靖子師の作品をはじめとし、宮城道雄、松本雅夫、平井康三郎、藤井凡大、久本玄智、衛藤公雄、各氏の作品など、そして古典曲も多数収録されています。

今回は、全6曲を収録いたしました。
1曲目「よろこび」は、唯是震一師が作曲した三曲合奏の歌曲です。
2曲目「水の蓮(はちす)」は、山田流箏曲家、斉藤松声(1907〜1992)の作曲。山田流箏曲伝統の語り物的な要素を含み、高音・低音の箏に、三弦、尺八を入れた合奏曲となっています。
3曲目「壽萬歳(ことぶきまんざい)」も唯是震一師が作曲した曲で、地歌箏曲で城 志賀作曲の『万歳』の冒頭の旋律が用いられています。(◆唯是震一先生に関するブログはこちらです。)この4月に新録音した、唯是先生、中島靖子先生、そしてご家族の皆様による演奏です。
4曲目「二つの箏のための三つのアラベスク」は、平井康三郎氏作曲。二面の箏を高低に調弦し、聴く人も弾く人も楽しくなるように意図して作曲された、華麗な小曲です。後藤すみ子師デビューリサイタルで初演されたそうです。(◆後藤先生の最新CD情報は、こちら)
5曲目「木と石の詩」は、尾形光琳の『紅白梅流水図』の複写版に感動し、音に表してみたい衝動にかられて作曲したという松本雅夫氏の作品。琉球旋法と都節音階の複調により作曲された、独特の雰囲気を持った曲です。 (◆松本雅夫氏の印象的な作品「セクパン」はこちらでご紹介しています。)

最後の曲は「二つの個性」。藤井凡大氏作曲です。二面の箏による掛け合いを極度に煮詰めて作曲された曲です。それぞれの個性を味わうことができるので、『二つの個性』という題名が付けられており、演奏会でもたびたび取り上げられています。今回は、木村雅楽慈穂(木村玲子)さんと宮越雅虹(宮越圭子)さんのお二人による、気迫あふれる掛け合いをお届けします。藤井凡大氏による作品は、こちらのブログ(◆)でも、ご紹介しています。
そして奥田雅楽之一さんは、こちらでご紹介(◆)しています!

(制作担当:うなぎ)