じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

ハイチ、パキスタンの伝統音楽


7月11日のハイチ公演より@草月ホール
昨日、一昨日と草月ホールで「ハイチのカーニバル音楽」が開催されました。弊財団主催の第1回東京[無形文化]祭の初日公演です。国内外の伝統音楽・民族音楽を東京でご紹介するフェスティバルです。
ハイチ共和国では、音楽が重要な娯楽とメディアの役割を果たしているそうで、主な音楽のジャンルとしては、メレング、ヴードゥー音楽、ララ、コンパ、ヒップ・ホップ、ミジック・ラシーンなどがあるそうです。
この度は、ハイチの中でも旗手的存在で、グループとしては初めてアメリカ、フランスなど国外での公演を実現させた「ララム・ノーリミット」の皆さんに、日本にお越しいただきました。ララというジャンルを超えて、ハイチで人気が高く、歩きながら演奏するスタイルは観客の心をつかみ、毎年覚えやすいスローガンに満ちた曲を発表して、注目を集めているそうです。
ララ[Rara](語源はヨルバ語の「大きな音を立てる」から派生するという説があり)は、ハイチの農村の祝祭行事として受け継がれてきた音楽様式、また演奏するグル―プ、祝祭そものものをさす言葉だそうです。

7月12日のハイチ公演@草月ホール(ボーカルの女性は衣装を変えてTシャツ姿に)
会場で体験したのは、聞くというよりは一緒に踊る音楽でした。使用されているリズム、音階は明るく、日本の伝統音楽とは対照的で、どうして民族によって音楽がこんなに違うのかと思ってしまいました。それでも根底にながれるエネルギーは、伝統音楽に共通するものを感じました。今回の公演は終わってしまいましたが、今年11月にファン待望のアルバムが発売されるそうです。
それにしても魅力的な皆さんでしたが、ボーカルの女性はとても素敵でした。フェイスブックで公演写真を公開中です!
そして7月17日、Bunkamuraオーチャードホールに、パキスタンの歌姫がまいります。(◆)

こちらの、サナム・マールヴィーさんです。パキスタンは、首都イスラマバード、人口は1億7千万人を超える国です。
パキスタンの伝統音楽の代表は「カウワーリー」という、イスラーム神秘主義修道儀礼のために行われる集団歌謡だそうです。
カウワーリーにも、詩の内容でジャンルが分かれるそうですが、スーフィー詩は、さまざまな言語で書かれた14世紀の古い詩人や17世紀以降の詩人の作品で、カウワールと呼ばれる伝統口承文芸の伝承者によって、今日まで歌い継がれてきたそうです。
旋律楽器、打楽器を従えた古典編成で、メインの歌手が歌う「スーフィー歌謡」の分野での第一人者、アービダ・パルヴィーンさんの後を追い上げる歌手は、この度来日するサナム・マールヴィーさん、とのことです。人気沸騰中のアルゴーザー(二本組のたて笛)奏者アクバル・ハミースー・ハーンさんやNo.1ドーリーのファイブ・スター・ミュージカル・グループも一緒の来日です。

是非、会場にお運びいただき、パキスタンの伝統音楽を体験をしていただきたいと思います。

(制作担当:うなぎ)