じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「囃す」―囃子の競演

東京[無形文化]祭、国内企画第三弾。昨夜、紀尾井ホールにて『「囃す」―囃子の競演』と題しまして、4組のお囃子の方々の演奏会が催されました。
第一部の幕開きとなりましたのは「江戸里神楽(えどさとかぐら)」の皆様。国指定重要無形民俗文化財「江戸里神楽 四世若山胤雄社中」の皆さんによる「寿獅子」。


東京に伝わる里神楽は、埼玉県の鷲宮神社から伝わる催馬楽神楽が江戸に伝えられ、元禄時代の頃から大変盛んになったそうです。(東京[無形文化]祭より「囃す」―囃子の競演
第二ステージは、民謡の裏方として舞台を支えている民謡囃子の皆様。民謡ひと筋に半世紀以上取り組んでこられた民謡囃子の神様、美鵬駒三朗さんのご一門による演奏。この日は、民謡囃子を未来へと伝えていく、ご一門の子供衆たち(最年少は4歳の女の子)も演奏に加わっていました。
演奏曲「尾道三下がり(広島県)」「日田 祇園囃子大分県)」「飾山囃子(秋田県)」「花輪(秋田県)」

後半第二部の第三ステージは「邦楽囃子」。美しい日本の四季を代表する冬の雪、秋の月、春の花など、四季折々の風雅な眺めをあらわす「雪月花」をテーマに、邦楽囃子の若き旗手、藤舎呂英さん率いる「 Roei−√xTo(ろえい るーとえっくすてぃーおー)」の皆さん、杵屋勝四郎さん、笛の福原徹彦さんの演奏でした。
この「√xTo」は、邦楽囃子を演奏するときの記号、五線譜でいうと音符の意味なのだそうです。

そして最後の第四ステージは「能楽囃子」。「能」は、世界で最古の歴史を持つ(600年を超える)演劇だそうで、この「能」を司るのが、わずか四人の演奏家から成る能の囃子方。笛と小鼓と大鼓と太鼓。打楽器演奏者が「掛け声」をかけるのが大きな特徴ですが、たった四人とは思えない迫力ある舞台。豪快な演奏そして、思わず息を止めてしまう静寂の間・・・。昨日の舞台でも亀井広忠さんの迫力ある掛け声が、紀尾井ホール中に響き渡っていました。演奏曲「猩々乱」「獅子」

(japogirl)