じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

お盆の読書

お盆休みの時期に入り、今日はUターンラッシュになったという報道もありました。自分もお休みをいただき、ゆっくり過ごしていました。
以前から気になっていた、宮本常一氏の文庫をいくつか入手していたので、まずは「民俗のふるさと」(河出文庫)からスタート。今は「日本の村・海をひらいた人々」(ちくま文庫)を読んでいます。
[:W300]
予備知識がほとんどないに等しいのですが、戦後すぐに少年少女が読む本として書かれたこの本の「はじめに」を目にしていて、時間を超えて共感を覚える部分を見つけました。ちょっと僭越ですが、「はじめに」から引用させていただきますと……

「日本という国はよく大きな地震があったり、大きな風が吹いたり、雨がふったり、また、ききんがあったりして、人々はそのたびにいためつけられることが多いのですが、そのようなこんなんにもまけないで、貧乏なくらしのなかに、はげしくはたらきつつ、時には失望もし、あらそいもし、また、人をおとしいれるようなことをしつつも、この世を少しずつ住みよいものにしてきました。私はそれをとうといものに思います。」

かつて日本の津々浦々を旅し、ご自身の目と耳で膨大な記録を残した偉人の著作。せっかくのお盆のお休みなので、じっくり耽りたいと思います。

(じゃぽ音っと編集部T)