じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

KOTOで弾くJ-POP

皆様、こんにちは。9月に入りましたね。
昨日、8/31(金)NHKのEテレでは、にっぽんの芸能「四季の響き〜和楽器でつむぐ季節の音色〜」(22:00〜22:58)が放送になりました。私は、見ることが出来なかったので、再放送9/7(金)(12:00〜12:58)を見ることにします!
『春よ、来い』(松任谷由実 作詞・作曲)から『故郷』まで、尺八、三味線、箏、十七弦、琵琶、そして唄など、和楽器を使ったライブで、「和楽器の可能性って無限大!」をテーマにポップスから長唄まで幅広い四季の名曲を取り上げた、ということです。(すみません、まだ見ていないのでコメントが中途半端ですが…)
和楽器でポップスの演奏などは、少し前(10年位前?)までは、どうなのかしら?という雰囲気も多少ありましたが、今ではすっかり定着してきましたね。お箏で古典曲を弾くとき、半音階を少し低めにチューニングするという傾向があったり、尺八も指孔が少ない楽器なので音階を作るのが難しかったり(◆)ということがあったりして、ドレミ音階に向いていないのかな〜という感じでしたが、いまではピアノを演奏するような感覚で演奏されていますね。
先日、国立劇場で「第23回全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演」という催し物があり、全国の高校生が郷土芸能、演劇などを披露するという公演だったのですが、箏の演奏披露は、香川県立観音寺第一高等学校による「花舞」(牧野由多可作曲)や、静岡県立沼津西高等学校による「三つのエスキス」(清水脩作曲)といった、とっても難しそうな曲でビックリしました。
とはいえ、3年間では、そういった難しい曲を演奏することは、なかなかできる事ではないと思いますので、曲を探していらっしゃる箏曲部の皆様、文化祭の出し物はこちらはいかがでしょう?
◆『「KOTOで弾くJ-POP Vol 1』
◆『「KOTOで弾くJ-POP Vol 2』
◆『「KOTOで弾くJ-POP Vol 3』

こちらは、J-POPがお箏で弾けるようにアレンジした楽譜です。松田聖子SMAPスピッツMr. Childrenサザンオールスターズのヒット曲を収録しています。演奏を盛り上げる伴奏カラオケのCDがついているので、それにあわせて演奏します。楽譜はこのような感じです。

そもそも…、例えば箏の場合ですが、『さくらさくら』や『ふるさと』『六段の調』といった日本の音階の音楽を演奏するのに適している、いわゆる平調子や乃木調子といったチューニング(調弦)と、『春よ、来い』や『世界に一つだけの花』など、ポップスを弾くためのドレミファ音階のチューニングとは根本的に違うので、1曲習うなら、どちらに焦点をしぼるか結構難しいですよね。渋く古典曲に挑戦していただきたい気もしますし、楽しくJ-POPを弾いていただくのも良いですよね。
★箏のヒーリングCDもあります!★検索は、作品検索でアルバム名に「ことできく」と入力してみてください。

ここからは、まったく余談ですが、松任谷由実さんの『春よ、来い』は、和楽器にむいていると思うのですよね。昔ユーミンのCDを良く聴いていたので、懐かしく思い出しました。個人的には『埠頭を渡る風』『A HAPPY NEW YEAR』が好きなので、AUN Jの皆さん、次はお願いいたします!??
またここからは、さらに余談ですが、ユーミンのアルバムでは、「時のないホテル」(1980年)というアルバムにはまっていました。ユーミンのテンションが低い時期に作られたアルバムということで、空気感がちょっと違います。1曲ごとに映画を見ているようなストーリがあり、思わず引き込まれていました。せっかくユーミンの話題になりましたので…。

(制作担当:うなぎ)