じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

大英博物館 古代エジプト展へ

先日、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催されています「大英博物館 古代エジプト展」へ行ってきました。(2012年9月17日まで開催)
展示会の目玉は、日本で初めて展示の大英博物館が誇る世界最長の37mもありますパピルスの『死者の書』(グリーンフィールド・パピルス)です。約3000年前、ネシタネベトイシェルウという女性神官のために描かれたものだそうです。
死者の書」は、古代エジプトでは、人は死後に冥界の旅を経て来世で復活すると考えられていて、様々な試練が待つ旅路で死者に守護の力を与える呪文集、未来への旅のガイドブックとして、死者に捧げられたものだそうです。他にミイラや棺、護符、装身具など約180点が展示されています。

ミイラが入る棺の中側、そして蓋の裏側もびっしり象形文字が書き埋め尽くされています。棺の頭の部分には頭を守るための呪文が書かれているのだそうです。不思議なのは、男性用と思われる棺に女性のミイラが眠っていた(?)のがあり、未だに解明されていないようです。
今回の展示会では、しみじみと象形文字を見る事が出来ました。文字に鳥の姿が多かった。近くにいた学生さんらしき人の話し声が聞こえて、どうやら象形文字について勉強したようで「象形文字は右から読むとは限らない・・・」と聞こえてきました。そっ、そうなんだぁ〜(笑)
死者の書』の100以上の章のうち、「審判」の場面はオリシス神の前で死者の心臓が天秤にかけられ、反対側に真理の女神マアトが。そして審議にかけられる。釣り合わなければ有罪となり、怪物アメミトに食べられてしまう・・・。
まるで仏教?人間の死後、生前の罪業を閻魔王に裁かれる様?!
有名だと言われる「天と地のはじまり」の絵は、大気の神シュウと湿気の女神テフヌウトから生まれたのが、大地の神ゲブと天の女神ヌウト。シュウが横たわるゲブの前に立ち、ヌウトを両手で持ち上げて引き離したのが、天と地の始まりとされている・・・。
なんとなく「古事記」に相通ずるものありますね(^^)
私が行った時は、まだ夏休みの日曜日だったので人が多かったですが、歴史をひもとく「古代エジプト展」!感動がたくさんありました。

(japogirl)