じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

第1回 新相馬節全国大会

「民謡の父」と謳われた初代鈴木正夫さんが唄い広めた「新相馬節」の第1回全国大会が、9月23日(日)に、生誕の地である宮城県丸森町にある「大内まちづくりセンター」で行われました。

この大会は昨年に計画されていましたが、東日本大震災の影響で1年延期になったものです。
曲目毎の全国大会が各地に沢山ある中で、全国的に有名な「新相馬節」の大会が今まで無かったのが不思議なくらいです。
初めて開催するにあたり、出場者を100人限定にしたそうですが、申し込み者が多くて110人に増やし、あとはお断りしたそうです。

会場は交通が不便な所ですが、朝からの強い雨にもかかわらず420の客席は一杯で、出場者と観客席共に熱気に満ち溢れていました。(二代目の鈴木正夫さんに伺ったところ、初代鈴木正夫さんは、雨男だったそうです。)
式典に続いて行なわれたアトラクションでは、地元大内小学校3・4年生全員による「新相馬節」の合唱が会場を沸かせました。

続いて〔ジュニアの部〕のコンクールが行われました。ジュニアの部は3名のエントリーでしたが、アトラクションは今後の増加に希望を持たせるものとなりました。
〔一般の部〕は107人が日本一を賭けての熱演です。難しいとされる唄の出だしの『ハァ〜ア〜』を皆さん上手く唄われていることに感心しました。良く初代の良さを掴んでいたと思います。
また、最高齢88歳の女性が味のある素晴らしい唄で、且つ声量もあり、決勝出場の10人に残ったことに感動しました。
決戦の10人は甲乙つけ難い熱唱でしたが、宮城県西白河郡の菊地智恵さんが初代日本一の座に輝きました。
初めての全国大会とは思えないほど進行が良く、地元の皆さんの大会にかける意気込みが感じられる素晴らしい大会でした。

初代鈴木正夫さんの唄声で「新相馬節」が収録されている作品はこちらです。

鈴木正夫の世界

(青木)