昨年、サントリーホール25周年を機にスタートした音楽イベント「アークヒルズ音楽週間」(主催:森ビル株式会社、サントリーホール)が、ちょうど開催されています(10/20から10/29)。世界の一流演奏家が集う「サントリーホール フェスティバル」(10/6から12/1)に合わせて、アーティストがサントリーホール前の「アーク・カラヤン広場」で入場無料のコンサートを行います。また上記期間中は、アークヒルズ周辺の美術館やホテル等でもコンサートや関連イベントが開催され、アークヒルズエリアの全体がさまざまな音楽で彩られます。
昨年の第一回「アークヒルズ音楽週間」で、わたしの印象に残っているのは<中国古代楽器「編鐘」の響き>でした。中国の舞踊家・黄豆豆(ファン・ドウドウ)の異次元空間を創り出すダンスと作曲家・譚盾(タン・ドゥン)と中国古代の巨大金属打楽器「曾侯乙編鐘(そこうおつへんしょう)」のコラボレーションはじつに鮮烈でした。
今年のテーマは「音楽がであう、音楽にであう」。様々な分野のパフォーマーとのコラボレーションが企画されています。もう終了してしまいましたが10月20日(土)にはオークラウロとピアノのコンサート、21日(日)には「狂言とマドリガル・コメディーの出会い」。今週末27日(土)は、インドネシアの民族楽器「ガムラン」で現代音楽を演奏する「ガムランと現代音楽とダンスの出会い」。翌28日(日)には、雅楽演奏団体の伶楽舎が登場して、芝祐靖さんが復曲・作曲した古代のロマンを感じさせる名作「敦煌琵琶譜による音楽」からの抜粋その他を演奏します。(詳しいラインナップはこちらのアークヒルズのウェブサイトをご覧ください→ ◆)
「アークヒルズ音楽週間」
伶楽舎コンサート
日時=10月28日(日)17:30〜18:30
場所=アーク・カラヤン広場
出演=伶楽舎
プログラム
正倉院復元楽器演奏と舞楽
・芝祐靖「敦煌琵琶譜による音楽」から
・舞楽「陵王」
予約不要・入場無料
1900年にシルクロードの分岐点として栄えた敦煌の莫高窟(ばっこうくつ)から、経典の写本や絵画とともに唐代の琵琶譜が偶然発見されました(通称「敦煌琵琶譜」)。発見当初、中国でも解読できなかった琵琶譜を、正倉院に残るいにしえの楽器群を復元したアンサンブルのために、芝祐靖さんが復曲したのが「復元正倉院楽器のための 敦煌琵琶譜による音楽」です。正倉院復元楽器のたおやかで麗しい響きがたっぷりと味わえます。またこの日は舞楽も演じられるようなので、雅楽の舞に関心のある方も秋の日曜日の午後、ぜひアークヒルズにお運びください。
またコンサートに先立って、15:00からは、伶楽舎による「雅楽ワークショップ」も行われます。こちらも無料で、事前申込不要とのこと。
伶楽舎が演奏した、芝祐靖「復元正倉院楽器のための 敦煌琵琶譜による音楽」のCDは、当財団から発行しています。伶楽舎と全国CD店を通じてお求めいただけます。
関連過去記事
<DVD『生きた正倉院 雅楽』>(2011年05月4日)
<雅楽・伶楽舎のレコーディング>(2011年2月3日)
(堀内)