じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

「鉄腕アトム」を講談師の語りで

来る11月10日(土)19時20分から20時55分、R1<NHKラジオ第1放送>で手塚治虫さんの漫画「鉄腕アトム」の初期の名作三篇が、講談師・神田織音さんの語りでよみがえります。題して「ラジオでよみがえる 鉄腕アトム。こちらが番組公式サイトです。 約1時間半の番組内で、原作の漫画に基づいて以下3つのお話が演じられます。

講談版“気体人間の巻”
(原作初出:雑誌「少年」昭和27年4〜10月号)
〈あらすじ〉
突然様子がおかしくなり盗みを働きだす玉男。頭痛を訴えたためお茶の水博士に診てもらうと、玉男の頭からケムリのようなものが・・・。その正体は成層圏に住む「気体人間」だった。アトムは彼らをどのようにして撃退するのか。

講談版“赤いネコの巻”
(原作初出:雑誌「少年」昭和28年5〜11月号)
〈あらすじ〉
武蔵野の動植物を愛し自然保護を訴える教授。だが開発の名のもとに自然破壊は続けられる。業を煮やした教授は自分の死を偽装。猫のたたりを装い世間に心理的な圧力をかける。そしてついには動物たちに人間を襲わせ・・・。

講談版“ミドロが沼の巻”
(原作初出:雑誌「少年」昭和31年8〜11月号)
〈あらすじ〉
“ミドロが沼”に突如現れたトカゲのような怪物。知能は発達し、言葉もしゃべる。口から赤い毒液を吐き出し、これを浴びた動物はその意のままに操られてしまう。アトムとコバルトは協力して立ち向かい、トカゲが操る巨大ロボットを倒す。

なお、この講談版「鉄腕アトム」では、昭和38年(1963)1月1日から昭和41年(1966)12月31日までフジテレビで放送されたテレビ版アトムの音響構成を担当された大野松雄さんによる種々のアトム・サウンドも登場しますので、お楽しみに! テレビ版アトムでは、「気体人間の巻」は第20話、「赤いネコ(猫)の巻」は第39話、「ミドロが沼の巻」は第34話で放映されていました。

ラジオをお持ちでない方でも、NHKラジオ放送はインターネットを通じて聞くことができます。→ NHKネットラジオ らじる★らじる


当財団では、大野松雄さんが手がけたアトムの音を集めたCDを2009年に発行しております。「鉄腕アトム・音の世界/大野松雄」(VZCG-712)。発見されたオリジナル・マスターテープによる「完全復刻」CD化(ジャケット・デザインもオリジナルLP盤仕様)。大野松雄さんの新規ライナーを含む充実した内容のブックレットつきです。


アニメにおける音づくりについて、大野さんご本人が登場し、「鉄腕アトム」の製作の舞台裏を語っている興味深い動画がありました。アニメ・ファンでなくても、きっと引き込まれてしまうのでは・・・?

「(9)テレビアニメ45年史・第三巻・サウンド編 その1≪鉄腕アトムの効果音を壱から創った、現役音響監督登場!≫」

「(10)テレビアニメ45年史・第三巻・サウンド編 その2≪手塚治虫と喧嘩した伝説の男&波動砲[音]はこうして創られた!≫」

(堀内)