秋も深まってきました。今日の日曜日は曇り空で午後から雨になりましたが、寒い日には温かいお茶を飲みながら室内でゆっくりすごすのもいいですね。
そんな午後にぴったりの、ピアノ曲のアルバムをご紹介します。「河村尚子/ファースト・レコーディングス」です。(作品情報はこちらからどうぞ→◆)
河村尚子(ひさこ)さんは1981年生まれの新進ピアニスト。ピアノを始めた5歳のころ、お父さまの仕事の関係でドイツに移り住み、以来かの地でピアノを学び、研鑽を積んできました。2006年ミュンヘン国際コンクールで2位、2007年クララ・ハスキル国際コンクールで優勝と輝かしい活躍をしています。
14歳での初リサイタルからドイツを拠点に主にヨーロッパで活動してきたため、日本ではあまり知られていなかったようです。2004年の東京フィルハーモニー定期演奏会が日本デビューですが、その後日本の多くのオーケストラとも共演を重ねて年々注目をあび、ファンが増えています。
デビュー・アルバムが出されたのもヨーロッパで、このCDは21歳のときにパリで録ったファーストレコーディングの国内盤初発売、XRCD盤です。2002年に出た通常のCD盤とこのXRCD盤を聴き比べる機会があったのですが、こちらはピアノがそこで鳴っているような、温かみとふくらみのある音色で、素人の私にも違いがはっきりわかりました。(XRCDについて詳しくはこちらを→XRCDとは)
収録曲はモーツァルトのピアノソナタ第17番、シューベルトのピアノソナタ第20番、そしてプロコフィエフのピアノソナタ第2番。3曲とも性格も雰囲気も異なるピアノソナタですが、その変化も自然に楽しめる、心地よいアルバムです。
10年前、21歳のときの録音ということですが、若さあふれるというよりは、安定した演奏というのでしょうか、この季節、熱いお茶とともに体も心も温まるおすすめの一枚です。
少し前のインタビューですが、YAMAHAのサイトの「明日を担うピアニスト達」でとりあげられています。こちらからすてきな笑顔の写真も見られます。→http://jp.yamaha.com/sp/products/musical-instruments/keyboards/pianist-lounge/hope/001/
(Y)